世界の金融市場に大きな変化がおきています。まずアメリカの膨大な貿易赤字の結果として世界の外貨準備が膨れ上がっていること、原油価格の上昇で産油国の収入が増大していることです。これらの資金は政府や中央銀行の管理下に置かれています。従来、こうした資金は安全性を保つためにアメリカの財務省証券に投資され、アメリカに還流していました。しかし、ドル価値の下落や石油などの資源の有効活用という観点から、各国は積極的に運用を始めたのです。こうした資金は「Sovereign Wealth Fund(政府投資ファンド)」と呼ばれています。その実態について報告します。ここで掲載した記事は今年8月にノルウェーに取材に行って書いたルポです。ノルウェーは北欧の産油国で、膨大な石油収入を得ています。資源は遠からず枯渇するとの考えから、それを金融資産に換え、長期的に運用することで次世代に富を残そうとしています。そのファンドを