「けいおん!!」では、いわゆるオタクが「好きなものの追求」と、それにも増した「嫌いなものの排除」が徹底的になされているというのは、誰に言われるまでもなく自明の事として皆さんも感じていることでしょう。その代表例が、男性キャラの不在。「俺の嫁を奪う敵」と扱われてしまう男性キャラは、家族・店員・教師くらいでしか本編に登場しません。つまり、あのアニメは「私たち」の及ぶ範囲しか描かれず、「他の誰か」はその存在すら許されていない。これが特徴と人気の要因のひとつなので文句はないですし、そのことをガタガタ言っても埒が明かない。本編を見ている視聴者は、さしずめ透明人間にでもなって彼女たちにばれない様に「日常」を覗き見させてもらっているような状況にあるわけです。時折描かれる、やたらフェティッシュなカットは我々の煩悩の現れみたいなものなのでしょう。 そんな徹底した作りこみがなされている作品だからこそ、違和感を覚