ちひろのお土産が“よこすか海軍カレー”のレトルトだった件、相変わらず細かい描写に嬉しくなってしまった。本作の舞台・竹原に近い呉にも海軍カレーのお店があるのだけど、こと地域おこしに関しては横須賀に水を開けられてしまった感がある。 閑話休題。友達の友達複数に紹介されるというシチュエーションの、あの独特のぎこちなさが上手く表現されていたけれど、最終的には仲良く収めてしまうあたり、安心して観ていられるのがいい。ちひろに近い性格としては楓もそうだけど、麻音の存在が地味に大きくて、ここは前話の当番回が効いているように思った。 OVAシリーズでもあったけど、お友達のガキ大将的なお姉ちゃんに連れられて、田舎道をダラダラ歩いて山に登る…という、商業アニメらしからぬ何でもないシチュエーションに尺を割くのが、この作品の懐の深さ。“何でもない”からこそ、地方の風景とともに観る者それぞれの原体験に共鳴する。それが本