規制が直接的な「性行為」のみに収束する保証はどこにもない。人前で尻を出してオナラをするような下品な行為は、「社会規範に反する」のではないか。裸になって、土手を走るシーンはどうなのか。「刑罰法規」は幅が広く、今後新設されたり、改正される「刑罰法規」も自動的に含むというなら、東京都の規制の範囲の線引きはきわめて曖昧だ。 性行為を離れて、暴走族が信号無視をしたり、集団暴走行為をしているマンガは「著しく社会規範に反する」と言えないか。スポーツカーに乗った女の子が制限速度を超えて疾走するシーンはどうなのか。また、「賭け麻雀」や「暁の決闘」を描いたマンガはどうだろうか。「チャンバラ」は刀を腰にさしている段階で銃刀法違反ではないのか。「刑罰法規」という目でマンガを見渡せば、無限に事例は出てくる。こうして、一度始めた規制は、「性行為」の枠を超えて表現全体に襲いかかる可能性がある。 「マンガ規制条例可決」で