テーマが論者によって微妙にずれたり重なったりしていますが、「皇帝」の称号などを例にして『長い歴史や社会の中で、支配者や国の地位や格式、称号がどう定まっていったか、どのように変遷していったか』みたいな話をしたわけです。 国家や王家の正統性や系譜の議論は面白いですよね。
2015年3月、日本の元首相の鳩山由紀夫氏がクリミア半島を訪問しました。NHKはこう伝えています。 ロシア国営テレビは鳩山氏の一連の訪問を連日詳しく伝え、この会見についても、現地時間の午後(日本時間11日夜)の全国ニュースで取り上げました。 このなかで、「鳩山氏が、『クリミアの住民投票が民主的な手続きで行われ、住民の意思を反映していることを確信した』と述べた」と伝えました。(ロシアTV「鳩山氏がロシアに理解」と報道 NHKニュース15.3.11) クリミアに関するニュースを思うとき、私はエチオピアを思い出します。この2つの地域と国には共通点があります。国際社会の現状を変革しようとする国が武力を背景に国境線を変更し、そしてその一撃が、世界の秩序を揺るがせた、という共通点です。 この記事では、そもそも国家がある土地を領有できる仕組み、国境をめぐる戦争を人類がどう克服しようとし、そして失敗してき
中東研究者の多くは今、クリミアで起きていることを見て、こう思い描いている――「これは、第一次世界大戦前夜の再現か」。 今回浮き彫りになった、ウクライナ新政権=EU対ウクライナの親ロシア派=ロシアという対立は、自由と民主主義対独裁・権威主義という構図で描かれがちだ。だが、黒海地域を巡る権益と覇権争いという観点から見れば、19世紀のグレート・ゲームによく似ている。16世紀半ばから19世紀末まで繰り返し戦われた露土戦争に始まり、19世紀後半に、オスマン帝国やカージャール朝ペルシアに対して、当時のロシア帝国が執拗に行ってきた南下、侵略戦争を彷彿とさせるからだ。 ロシアとオスマン帝国(英仏が支援した)の間で1853年に起きたクリミア戦争は、ロシアがモルドヴァなどをオスマン帝国から「解放する」という口実で行われた。10年前のイラク戦争にせよ、二世紀以上前のナポレオンのエジプト侵攻にせよ、地元住民を圧制
東京都内の公立図書館開架に置かれている『アンネの日記』や関連図書の多数でページを破られていたことが発見された奇っ怪な事件は、海外にも大きく報道された。 英語圏のニュースは特に意識しないでも見ているので、その範囲でもいろいろ見かけた。が、大半はBBC記事「Anne Frank's Diary vandalised in Japan libraries」(参照)のように抑制的に書かれていた。 特にこのBBC報道でが適切に思えたのは、欧米などでよく見られる反ユダヤ主義(anti-Semitism)が基本的に現実にその社会に存在するユダヤ人を排除する意図、さらには、民族浄化の文脈で語られるものなのに、日本にはそうした背景が存在しないことを指摘している点だった。 For many Japanese the book forms the basis of their knowledge about t
ロンドン(London)郊外リーブスデン(Leavesden)にあるワーナー・ブラザース・スタジオ・リーブスデン(Warner Bros. Studios Leavesden)を訪問したウィリアム王子(Prince William、2013年4月26日撮影)。(c)AFP/CHRIS JACKSON 【6月14日 AFP】ウィリアム英王子(Prince William)がインド人の祖先をもっていることが、英エディンバラ学(University of Edinburgh)のチームが行った唾液サンプルの分析により判明した。英誌タイムズ(Times)が14日、伝えた。王位継承権第2位のウィリアム王子が王位を継承すれば、英連邦(Commonwealth)で最大の人口を抱えるインドにルーツを持つことが証明された初の英国王になる。 ウィリアム王子の7代前の祖先に当たる「Eliza Kewark」という
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猪瀬都知事の発言が原因で、オリンピックの東京招致に影が差している。 「イスラム国はけんかばかり」という侮蔑的表現が取り上げられることが多いようだが、その発言を弁解するときに「雑談のつもりだった」と言った、「イスラム圏初ってそんな意味あるのかなあ」という発言のほうが、筆者は気になる。なぜなら半世紀前に東京でオリンピックが行われたときの、最大のウリが「アジア初のオリンピック」だったからだ。 そこで思い出したのが、1964年の東京オリンピックの際のゴタゴタである。 問題が起きたのは、オリンピック開催まであと2年強となった1962年8月、インドネシアで開催されていたアジア競技大会でのこと。この大会に、イスラエルと台湾の参加がインドネシアによって拒否されたのである。インドネシアは、インドのネルー首相やエジプトのナセル大統領と並んで、1955年以降アジア、アフリカ諸国を席巻していた非同盟諸国運動の中核
Wedge ONLINE @WEDGE_ONLINE 維新の会と太陽の党の政策合意では、「尖閣諸島について中国にICJへの提訴を促す」としているが、ICJは「法律的紛争」の解決を任務とする国際裁判所で、「政治紛争」を扱う機関ではない。 http://t.co/EPKCYGxe 尖閣はなぜ日本領か 歴史的・法的根拠を示そう/尾崎重義 2013-01-18 23:46:43 Wedge ONLINE @WEDGE_ONLINE 日本が尖閣問題をICJに付託すれば、日中間の法律的紛争として認めたことになり、尖閣諸島の日本領土としての地位を不安定にする恐れがある。 http://t.co/UMdpvmef 「尖閣はなぜ日本領か 歴史的・法的根拠を示そう」尾崎重義(筑波大学名誉教授) 2013-01-18 23:48:01
尖閣諸島には、日本が日米地位協定に基づいて施設提供している米海軍用の射爆撃場(航空機による地上攻撃や艦艇の火砲、ミサイルの発射演習で着弾地として使用される演習場)が2カ所ある。久場島の「黄尾嶼射爆撃場」と大正島の「赤尾嶼射爆撃場」である。 それぞれ、この夏に日中双方の活動家が上陸した魚釣島の北東と東のやや離れた海上にある。北東にあるのが久場島で、東にあるのが大正島だ。 この2つの島は、尖閣諸島を含む沖縄の施政権が1972年5月15日に米国から日本に返還される以前から米軍射爆撃場として使用されてきていた。施政権返還と同時に、日米合同委員会合意により日米安全保障条約と日米地位協定に基づく施設提供のスキームに切り替えられ、継続して米軍が使用するものとされてきた。 実は、これらの射爆撃場は、米軍が使用する際に周辺空域や海域の安全のため、15日前までに日本政府に事前通告することになっている。だが、1
両国が領有権を争っている島へ、一方の市民が不法に上陸しました。 これは、30年前のおはなし。 1982年、南太西洋の島々の領有権をめぐり、イギリスとアルゼンチンが戦争をしました。フォークランド紛争と呼ばれています。 始まりは民間市民の上陸でした。その背景はアルゼンチンの経済が不調で、政権が危うかったこと。そこで、歴史的な経緯から係争中だったフォークランド諸島がクローズアップされました。国民の目をそらすためです。 アルゼンチンの民衆は、政府がやらないなら自分たちが島を取り返すんだと盛り上がります。義勇軍のような気分で、島に不法上陸したり、運動が過熱していきました。 それが政府の選択肢をせばめ、やがて戦争になりました。 その島には名前が2つ 嵐の前の不景気 断たれた退路 あちら側、こちら側 正しさは手段に過ぎない 賽は投げられた 関連記事 その島には名前が2つ その島々には2つの名前があります
政治の道具 トルコには世界的に貴重な遺跡がたくさんあるが(イズミールにある古代ギリシャの遺跡) Osman Orsal-Reuters 1878年、ドイツの建築家カール・フーマンは、当時のオスマン帝国のスルタン(君主)から正式な許可を得て、トルコ西部ベルガマの丘陵地帯で遺跡発掘作業を始めた。紀元前3〜2世紀頃に栄えた古代都市ペルガモンがあった場所だ。 フーマンが発掘した遺物の1つが「ゼウスの大祭壇」。ギリシャ神話の神々と巨人たちの戦いをテーマにした浮き彫りが特徴の巨大な祭壇だ。大祭壇はスルタンの許可を得てドイツに運び出され、この遺物を収納するためにベルリンに建設されたペルガモン博物館に今日まで所蔵されている。 そしてフーマン以降およそ130年間、ドイツの考古学者たちはペルガモン遺跡の丁寧な発掘作業を続けてきた。 何世代も続いてきたこの学術研究活動が今、危機に直面している。トルコ政府は、国
http://anond.hatelabo.jp/20120619092231 もちろん私も全面的にギリシャ人は悪くないと思っているわけではありません。思うところをギリシャ人にぶつけてみましたが、論理立ててきちんと話せる人はそんなにいないんですよ。 日本人でも、消費税上げると言えば「それはやだなあ」という人が多いはずで、じゃあ、どうすると聞いたところで、論理立ててどうこう言える人はほとんどいないですよね。それと同じで、ギリシャ人の政府が悪い、外国資本が悪い、IMFが悪いというのも、直観的な話であって、「私たちが悪いのではないのだから、外部に悪い原因があるに違いない」という感覚的な見方が大半です。 いや、統計的にはこうなっていて、こういう構造的な問題があってというレベルで話せた人は、例の経済学者と日本に住んでいた人だけです。 日本語を勉強しているという大学生は、彼は母親がドイツ人で、ギリシャ
読売新聞のスクープで明らかになった中国大使館元一等書記官、李春光(リー・チュンコアン)のスパイ疑惑は、肝心の防衛情報へのアクセスが明らかにならないまま、オウム真理教手配犯逮捕とAKB総選挙に押し流され、あっという間に忘れ去られてしまった。読売は警視庁公安部が李を書類送検した日の紙面で「公安部は李書記官が在任中に接触した関係者から事情聴取を進めており、工作活動の全容解明を目指す」と書いたが、おそらく捜査は朝日新聞が同じ日に書いたように「ほぼ終結」したと見るのが正しい。スパイ事件は「ブツ」のやり取りを現場で抑える現行犯逮捕が原則だからだ。 明らかになっている範囲では、李元書記官は農水省に出入りして、コメの対中輸出事業に関わる農水高官と接触していたようだ。その過程でコメの需給・価格予測という「機密」に接触していた可能性がある――と読売新聞は報じたが、「人民解放軍出身」というおどろおどろしい経歴と
こんな議論が2012年5月20日に戦わされた。「21世紀のグローバリズムから見たチンギス・ハーンとモンゴル帝国」 と題された会議では、日本の研究者をはじめ、モンゴル国、中国内モンゴル、ロシアのブリヤートから研究者たちが貴重な情報を持ち寄り議論が交わされた。 今回は、この非常に刺激的な会議でなされた議論を中心に、ロシアやモンゴル、中国、日本などでの現在のチンギスハン評価に関してご紹介したい。 チンギスハンの子孫として誇りを持てるようになったモンゴル人 チンギスハンは古くて新しいトピックである。 13世紀には世界を席巻、東部ヨーロッパ各地から日本までを震撼させた帝国を築き上げた人物として、その後は、世界各地に継承国を作った人物として・・・。 チンギスハン統原理と呼ばれる、王になるものはチンギスハンの血を引いたものでなくてはならないという原理を元に、多くの王がチンギスハンの子孫を名乗った。 子孫
についてアイケングリーンがProject Syndicateに書いている(Economist's View経由)。以下は彼の挙げる当時と現在の相違点で、これらの違いによりユーロは金本位制と同じ運命を辿らずに存続できるかもしれない、と彼は言う。 単一の中央銀行 考え方の異なる中央銀行が足並みを揃えて金融政策を実施するのは言うは易し、行うは難し。一方、ECBはその気になればユーロ圏全体をリフレートできる。問題はその意思があるかどうかだが…。 失業保険の充実 最近の社会保障制度の削減にも関わらず、現在の失業給付は当時よりも多い。そのため、ユーロを放棄せよというポピュリスト的な圧力も当時より弱い。 政治環境の良好化 当時はドイツの再軍備に対するフランスの不信があり、中欧金融危機の対処への協力をフランスは拒否した。オランド大統領就任後に独仏関係が緊張するとしても、当時の緊張関係はその比ではない。 ま
思い立ってから数日で旅行準備はあっけなく完了した。役人時代には想像もつかないスピードと簡便さだ。 27年間の外務公務員時代に台北へ出張したのは1996年の1回だけ。台湾が今も日本政府関係者にとって「近くて遠い」存在であることを痛感する。 今週末の選挙結果次第では中台関係が再び不安定化することにもなりかねない。しかも、前回筆者が台湾について書いた(「民主化の道は絶対に選べない中国~台湾と中国の大きな違い」)のは、2年近くも前の話である。 というわけで、今回と次回は台湾、特にその政治指導者の選挙をテーマとして取り上げることにしたい。(文中敬称略) 本店か支店か 台湾関連で最も興味深いのは大陸と台湾の対立、いわゆる「両岸関係」だろう。この複雑な国際(国内)情勢を詳しく論じ始めれば優に数冊本が書ける。 中台関係は「一国二制度」「特殊な国と国」「一辺一国」「三不排」など様々な概念の歴史でもある。微妙
中立国の戦い―スイス、スウェーデン、スペインの苦難の道標 (光人社NF文庫)posted with amazlet at 09.09.29飯山 幸伸 光人社 売り上げランキング: 38634 Amazon.co.jp で詳細を見る 「中立国の戦い」は3つの中立国の歴史に焦点をあてた本です。3国とは、スペイン、スウェーデン、そして永世中立国として有名なスイスです。他にも中立国は多いのに、なぜこの3国なのでしょう? それはこれらの国が、あの第二次世界大戦のさなかすら中立政策を貫き、成功した国だからです。 そこにはいったいどんな秘密が、そして苦労があったのでしょうか。 中立政策の義務スイス国旗。色を反転させると赤十字の旗になる。 中立といっても色々ありますが、本書で問題にしているのは戦時中立です。戦時中立とは戦争をしている両陣営のどちらにも味方せず、公平に接することです。中立国は以下の義務を果た
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