最初に言っておかなければならないが、私は陰茎がデカい。 よくある平均的なサイズ感からはおよそ逸脱していると見て憚らず、温泉で同席した友人たちからは「花の慶次」の主人公である前田慶次郎利益にも例えられたことがあるほどだ。 それともう一つ、私は身体が硬い。 生まれつき足が15度以上開かず、「この子は歩けないかもしれない」と産婦人科の医師から母に宣告されたこともあったらしい。その予想は幸い当たることなく現在も日常生活に支障はないが、未だ全身の柔軟性に欠けている。 そんな私の特徴が結びつく、ちょうど近しい他人に言えないラインの話を聞いて欲しい。 私はつい最近、右手の親指を亜脱臼した。母指CM関節と呼ばれる、パッと想像する親指の付け根っぽい位置から更に下にある手首と親指を軟骨で繋げるような関節部だ。 そこが、整形外科にて撮影したレントゲン写真ではっきり分かる程度には左側にズレていた。 問診票に従った