政府向けシステムに関わったことがある身からすると、政府向けシステムの話をするときに前提として知っておいてほしいことは、住基ネット最高裁判決に「現行法上,本人確認情報の提供が認められている行政事務において取り扱われる個人情報を一元的に管理することができる機関又は主体は存在しない」という骨子があること。これによって政府向けシステムは個人情報を一元的に管理できず、個人情報は各自治体で分散管理しかできない。この文面でググれば政府がどれだけこの骨子を気にしているかは分かると思う。 今回の話は「国民マスターテーブルを持たずに認証するにはどうすべきか」という政府向けシステムで常に挙がる課題で、良いアイデアがある人は政府に提案しにいってほしい。個人情報保護法の目的外利用に違反しない上で。 はがき送りつけこれをできるのは自治体のみで防衛省はできない。防衛省は国民の住所氏名を知らないのではがきを送れない。防衛
はじめに 最近、以下の新しい論文を投稿しました。 Effects of polymers on the cavitating flow around a cylinder: A Large-scale molecular dynamics analysis 高分子が円柱を過ぎる流れに対して与える影響を分子動力学法で解析したものです。私も共著者には入っていますが、筆頭著者である浅野さんが中心となって計算、解析したものです。 計算規模は、概ね100ノード20万コア5億原子100時間/1ランを複数回実行するくらいです。この論文は物理の論文ですが、本稿ではこの計算の「大きさ」についてつらつら書いてみようと思います。 分子動力学法の計算コスト この論文で用いられている計算手法は分子動力学法(Molecular Dynamics method, MD)と呼ばれるもので、原子の間に働く力を計算し、位置を
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