航空移動需要の拡大を背景に、東西の基幹空港で都心へのアクセス鉄道新線構想が再燃している。東京・羽田空港にはJR東日本と東京急行電鉄が、大阪・伊丹空港には阪急電鉄が名乗りを上げる。いずれの路線も、空港の利便性が高まるとして、整備に対する社会的意義は大きい。しかし空港利用者だけでは事業採算性は厳しく、実現には自治体の協力や乗客需要の創出が不可欠だ。 「今年中にもスキーム(枠組み)を固めたい」。JR東日本の深沢祐二社長は3日、経営ビジョン発表の席上で「羽田空港アクセス線」構想の推進に意欲を見せた。既存の東海道貨物線のほか、りんかい線を活用した新線や増線の組み合わせで臨海部・東山手・西山手の3ルート約20キロメートルを整備。羽田空港から東京駅に18分、新宿駅に23分で直通する。 順調に進んでも環境影響評価で3年、工事に7年が必要。最短でも2028年の開業を見込むが、整備や運営主体は未定だ。その整備