上川陽子外相は14日、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長と東京都内で会談し、原子力技術を活用した品種改良や害虫対策、食品安全強化などを推進するIAEAの取り組みを後押しするとして、1850万ユーロ(約30億円)を支援すると表明した。 グロッシ氏の来日は2023年7月以来で、同年8月の東京電力福島第1原発の処理水放出後は初めて。 これに先立ち、岸田文雄首相が、首相官邸でグロッシ氏と会談した。グロッシ氏は13日に福島第1原発を視察したことを伝え「アルプス処理水の海洋放出が国際基準に完全にのっとり、計画通り安全に実施されていることを確認した」と評価した。首相は処理水の放出について「科学的根拠に基づき、高い透明性をもって国際社会の理解・支持を広げていく」と述べた。【村尾哲、鈴木悟】