介護の負担に追い詰められ、虐待など、思ってもみなかった行為をしてしまう「善意の加害者」。介護家族がそうならないようにするには、どういった点に注意すればよいのでしょうか。一人で介護をしていると、気づいた時には介護に追いつめられていることがあります。早くそうした状況に気づくことが大切なのは、これまでも書いてきました。しかし、自分がどういった状況に置かれているかをしっかりと把握できる人ばかりではありません。むしろ、気づかないうちに、がんじがらめの状況になっている人も少なくないのです。 コラムを書いている私自身も、かつて、妻の介護で「何でも自分がやらなければならない」との思いから、「やりすぎ」ていた時期がありました。介護や認知症の専門職でも、自分の事にまで心は至らないものです。そうならないために、認知症の介護をする家族は、本人と介護者である自分との関係性をどのようにとらえればよいのでしょうか。 当