めまぐるしく変化する現代の生活のなかで、風情ある古い建築に残された少し懐かしく可愛げのある「和製マジョリカタイル」が注目を集めています。「和製マジョリカタイル」は、大正初めから昭和10年代頃に日本で生産された多彩色レリーフタイルで、近代イギリス製の「ヴィクトリアンタイル」を模倣してつくられたものです。1800年代半ばにイギリスで売り出された、ヴィクトリアンタイルの中でも華やかな発色と艶が美しいタイルは、イタリアなどのマヨルカ焼の流れをくむ多彩色表現という意味で「マジョリカタイル」と名付けられ、日本でもその呼び名で広まりました。 明治期の日本では、洋風建築に使われたヴィクトリアンタイルの意匠の美しさや耐火性・耐水性が注目され、日本での生産が望まれるようになります。国内のタイルメーカーは、 その声に応えるべく研究を重ね、明治40年頃には乾式プレス成形法による「和製マジョリカタイル」をつくりだし
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