このところ、米国株の上昇や円売りドル買いの恩恵を受ける形で日経平均株価も1万円の水準を回復している。円安と株高傾向は今後も続くのか、それとも短期的なものなのか、中長期的な視点でみてみよう。 円相場は長期的には購買力平価、中期的には両国間の金利差で決まるといわれているが、「マネタリーアプローチ」と呼ばれる理論はそれらを包含する。 本コラムで再三指摘してきたソロスチャート(ドルと円のそれぞれのマネタリーベースの比で円ドル相場を予想)はマネタリーアプローチの簡略版ともいえる。結局、円ドルならば、日米両国中央銀行が金融政策をどうするかによるわけだ。 米FRB(連邦準備制度理事会)はリーマン・ショック後、マネーを増やしてきた。その一方、日銀は増やしてこなかった。これがこれまでの円高傾向の原因だ。 また、米国は2%のインフレ目標を明示したが、消費者物価指数の上昇率は2%を超えている(1月の個人