科学技術振興機構(JST)バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)では,データの共有と再利用を通じて生命科学研究を推進することを目的として,ライフサイエンスデータベース統合推進事業を実施している。その一環として,毎年10月5日を「トーゴーの日」と定め,国内のDB関係者が集まり生命科学分野におけるDBの統合と利活用にまつわる問題をともに考え,議論を深めるためのシンポジウムを開催している。 2017年はサブタイトルを「バイオデータベース:『作る』から『使う』へ」とし,東京大学弥生講堂において10月4~5日の2日間にわたり開催した注1)。このサブタイトルは,ユーザーの視点に立ち,ユーザーと連携してデータの利活用を推進することが,今後のDB統合においてますます重要になるという認識に基づく。本稿では,主催者側の視点からシンポジウムの概要を報告したい。 生命科学分野全般においてDBは利用されて