前回の記事では知能テストの誕生の歴史を紹介しました。 『知能テスト』が出現したことで、人類は『知能』を日常生活的な『賢さ』から切り離して考えられるようになりました。 ……本当にそうでしょうか? 「環境の影響を取り除いた『純粋な知能』」というものは本当に計測可能なのか。 これが今回のテーマです。 「知能」の実体と虚構 「知能」は「身長」や「体重」のような物理的性質ではありません。 では、「知能」とは「物質世界とは完全に何の関係も持たない、『特定のゲームが上手いか下手か』といった程度のスコア」なのか。 こんな疑問が噴出してきます。 この疑問には、本当の意味で真っ向から答えることは出来ません。 しかし、「相関」については語ることが出来ます。 一例としてスコットランドの大規模な追跡調査が有名です。 簡単に言えば、この世界一の大規模統計からは「知能が低いと寿命が短い」あるいは「知能が高いと寿命が長い