ライブ後にファンと交流する夏目亜季さん。子宮頸がんを経験してアイドル活動を続ける=東京都渋谷区で、竹内紀臣撮影 「みんな、今日はありがとう!」。今月3日、東京・渋谷のライブハウスで手を振る夏目亜季さん(25)は、2年前に子宮頸(けい)がんと診断された。京都府から上京し、1枚目のCDを出した翌年だった。 帰省した際、母親からがん検診の案内を渡された。「自分は関係ないと思っていたけど不正出血もあったから」と受けてみると「要精密検査」。東京都内の病院で最悪の結果を告げられた。子どもがいる将来を思い描いていたが、希望した事前の卵子凍結は「現状では難しい」とかなわなかった。毎日、放射線治療を受けるたびに「どんどん子どもが産めない体になるんだ」と心の傷が深まった。 がんが消え、今は子どもを持つ場合は養子も考える一方、「(当時は)すぐ治療が始まり、従うしかなかった。もっと早く知識があれば、他の選択肢があ