厚生労働省のウェブサイトで1月に公表された、2017年の年間自殺者数(速報値)は、2万1140人。 「生と死」に揺れ動く中で、1人でも多くの人が「生きる選択」をしたのではと、胸をなで下ろす。しかし、すぐに、鉛を飲み込んだかのような感覚に襲われる。16年より減少と言っても「21140」人は、ただの数字ではないからだ。そこには、一人一人の人生が確かに存在していたのであり、1人でも自殺する人がいる限り、その対策は必要だと思う。 私が自殺対策を始めたのは20歳の時。“乳がん”の疑いと告げられた余命宣告に、大学病院からの帰り道、初めて世界が白黒に見えた気がした。現実が信じられないという感情を通り越し、生きている実感を失った。そんな中突然受けた、旧友の訃報。自らいのちを絶ったという。何も知らなかった。何もできなかった。後悔して後悔して後悔した結果、今こうしている間にも、自らいのちを絶とうとしている人が
![見えている世界は変えられる 私が自殺対策に取り組む理由 | 株式会社共同通信社](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0142edd98fe415c9da8e84c6355f6d21b907ebd2/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.kyodo.co.jp%2Fkyodopress_cms%2Fwp-content%2Fuploads%2F2018%2F03%2F4e8d14e884013edd1927543246d2855e-430x295.jpg)