厚生労働省は24日までに、精神障害で入院した患者の退院後支援ガイドラインを策定し、3月末までに公表する方針を明らかにした。自治体が中心となって退院後の医療支援などを行うことを想定している。【新井哉】 長期入院精神障害者の地域移行をめぐっては、精神科病院や地域援助事業者の努力だけでは限界がある。このため、厚労省は精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築を目指している。 厚労省は、入院患者の地域移行を進め...
災害・医療現場で悲嘆や苦悩のケアに当たる宗教者の専門職「臨床宗教師」を養成している龍谷大大学院で平成29年度、新たに13人が研修を終えた。26年度に開講して以来、4年間の修了生は通算45人となった。 修了生らは昨年5〜12月、東日本大震災の被災地や緩和ケア病棟のあそかビハーラ病院(京都府城陽市)などで約150時間の実習を受け、相手の話に耳を傾ける「傾聴」や、異なる宗教間で協力する能力などを身につけてきた。 修了式が京都市下京区の大宮学舎で17日行われ、東北大大学院の谷山洋三准教授(臨床死生学)が、3月に始まる臨床宗教師の資格認定制度について講義。「布教を目的としないことを定めた倫理綱領を守ることが大切だ」と述べた。 東日本大震災の被災者との交流が最も印象に残ったという兵庫県尼崎市の浄土真宗本願寺派僧侶、天崎仁紹さん(24)は「悩みや苦しみを心で受け止める僧侶になりたい」。比叡山で修行中の天
ミナト神戸のランドマーク・ポートタワー。この周辺で男性は路上生活していた=神戸市中央区波止場町で、待鳥航志撮影 元日の朝、ミナト神戸の象徴・ポートタワー(神戸市中央区波止場町)の下の路上で、ホームレスとみられる男性の遺体が見つかった。兵庫県警神戸水上署によると、男性は病死で、肝臓がんだったという。年越しでライトアップされた港や初日の出を見に多くの見物客が行き来する中、ひっそりと亡くなった男性。足取りをたどると、高齢化、孤独化するホームレスの実態が浮かんだ。【待鳥航志、黒川優】 男性には神戸市の更生援護相談所が、見回りで接触を続けてきた。市などによると、男性は2009年3月ごろからポートタワー周辺の路上で生活していた。経歴や家族のことは話さず、施設への入所にも応じなかった。昨年12月22日午後8時ごろ、相談所職員が男性に声をかけた。ポートタワー下の路上で衣類にくるまり横になっていた。「大丈夫
発足した「精神疾患の親をもつ子どもの会(こどもぴあ)」のメンバーら=東京都港区の東京都障害者福祉会館で2018年1月21日 精神疾患を抱える親に育てられた子どもたちを、同様の境遇の人たちがサポートする「精神疾患の親をもつ子どもの会(愛称・こどもぴあ)」が21日、東京都内で発足した。2016年の障害者白書によると、国内の精神障害者は推計392万4000人。しかし、その子どもの支援は進んでいないため、同じ立場の経験者が初めてボランティアで団体を結成した。 被害妄想や幻聴に苦しむ親におびえたり、親の代わりに全ての家事を担ったりする子どもたちがいる。関係が苦しくても相手が親のため周囲に相談できず、大人になっても生きづらさを抱えているケースが多い。
小中学校を担う半田市教育委員会と、半田東高校、日本福祉大学(美浜町)が19日、教育連携・交流協定を結んだ。小学校から大学までが連携して、児童、生徒、学生、教員らの相互交流を深めて地域の教育力向上を目指す試みだ。こうした協定は全国的にも珍しいという。 半田東高には今春、豊橋南高とともに県立高初の教育コースができる。教職を目指す子どもを受け入れ、「地域」「世界」「未来」を意識した教育を目指し、2年生では授業の一環として豪州の教育現場の視察もあるという。連携は教育コース新設を機に同高が呼びかけた。 協定では、市内の小学校で教育コースの生徒の体験実習を受け入れたり、同高が生徒を小中学校や地域の行事に派遣したりする。小中学生や教員との交流活動にも力を入れる。 また、大学側も教員を目指す…
全国13カ所の国立ハンセン病療養所の多くで、入所者自治会が高齢化で運営が困難になっている。毎日新聞のアンケートに対し、2カ所は既に自力運営できず、少なくとも7カ所がおおむね5年以内に運営できなくなると回答した。入所者の平均年齢は85歳を超し、入所者数がピーク時の1割以下の療養所もある。元患者らの権利獲得、外部との交流など幅広い役割を担ってきた自治会の機能低下は深刻で、支援が急務だ。【岩崎邦宏】 自治会は入所者による任意団体。長年の強制隔離政策の下で国を相手に処遇改善に取り組み、国家賠償訴訟を進めるなど元患者の人権を守る役割を果たした。近年は見学者の受け入れ、語り部活動など教育・啓発も担っている。
「ごめんください」-。17日午後、奥園さんは熊本市の住宅地にいた。益城町と県は復興事業の核として町中心部の区画整理事業を計画しており、県職員と一緒に地権者宅を一軒一軒回っている。自宅を失い町外の「みなし仮設」に住む地権者も訪ねる。 昔ながらの入り組んだ道を整理して避難路を造ること。次の災害に備えて被災者が身を寄せる広場を確保すること…。事業の狙いを丁寧に説明する。約410人の地権者の話を聞くのも大事な仕事。「早く自宅を再建したい」との声が目立つ。1軒の訪問で1時間を超すこともある。17日は町内外の4軒を回った。 * * 行政マンにとって、区画整理は難しい事業だ。 大学卒業後の1974年に大牟田市役所に入り、主に都市計画や区画整理の担当課を歩んだ。先祖から受け継ぐ土地への愛着が、今にも増して強かった時代。事業に反対する住民から何度も厳しい言葉を掛けられた。結果を急ぐより「不満を全て吐き
外国人被災者役になって聞き込みの訓練を行うエムディーさん(右)=平成29年1月、西宮市総合福祉センター 阪神大震災で外国人被災者が状況把握などで苦労した経験から、西宮市国際交流協会は地震発生時などに外国人を支援する「災害時外国人サポーター」の養成に取り組んでいる。登録者は外国人6人を含む約60人で、英語を使った防災訓練などを実施。27年に登録されたバングラデシュ出身で県立西宮香風高補助員のアサドウッザマン・エムディーさん(35)は「災害時には言葉や習慣の違いで外国人は孤立する。3言語を話す自分が支えたい」と力を込めた。(中井芳野) 23年前の震災では、外国人被災者は避難所に貼り出された「炊き出し」「罹災証明」などの言葉が理解できず、日本での生活が長い人でも救援物資の状況などを把握することが困難だった。また、地震の経験がない国の出身者は災害を認識できず、被災地で適切な対応をとることができなか
阪神大震災発生から丸23年を迎えた17日、大きな被害があった兵庫県の各地で追悼行事があった。被災者らは降りしきる雨の中、犠牲者に祈りをささげた。■神戸市(死者4564人、行方不明2人、全壊6万1800棟)阪神高速神戸線は橋脚が折れ、三宮地区ではビルが倒壊。木造住宅が多い長田区は大規模な火災に見舞われた。同区の若松鷹取公園で、小学5年の片山咲花さん(10)は「亡くなった人にろうそくの光が届きます
東日本大震災の津波で被災し、復興住宅で暮らす女性(右端)と交流する藤室玲治さん(左端)と大学生=宮城県石巻市で、川口裕之撮影 被災者に寄り添い23年 阪神大震災でボランティアに従事した神戸大の男子学生が大学教員となり、東日本大震災や熊本地震の被災地で学生とともに支援に駆け回っている。東北大「課外・ボランティア活動支援センター」特任准教授の藤室玲治さん(43)で、「ボランティアだからこそ大変な思いをしている被災者の心を支えられる」と、自らの経験や被災地で学んだ教訓を学生らに伝え続ける。【川口裕之】 「この地域の人は家も何もかもなくしたから、みんな気持ちは一緒なの」。復興住宅などが建ち並ぶ宮城県石巻市にある大規模集団移転地の集会所。藤室さんと学生は今月12日、復興住宅で1人暮らしを続ける女性(80)の言葉にじっと耳を傾けた。東日本大震災の津波で自宅を失ったが、友人とつくった音楽サークルでピアノ
借り上げ復興住宅に住む丹戸郁江さん。提訴された後、ぐっすりと眠れないという=神戸市兵庫区で、待鳥航志撮影 阪神大震災時に被災者向けに提供した借り上げ復興住宅を巡り、20年間の借り上げ契約が満了したとして、神戸市などは入居者に明け渡し請求を続けている。2016年2月以降、16世帯が提訴され、うち1世帯について神戸地裁は昨年10月、立ち退きを認める判決を言い渡した。「被告」となった入居者の中には心身の不調を訴える人もいるといい、支援者は「今も23年前の震災の被害を受けている」と指摘する。 神戸市は、キャナルタウンウエスト(同市兵庫区)の計7世帯とシティコート住吉本町(同市東灘区)の2世帯の計9世帯を相手取り、住宅明け渡しを求める訴訟を神戸地裁に起こしている。最初の判決となったキャナルタウンの女性入居者の裁判で、神戸地裁は「入居許可時点で退去期限は通知されている」として明け渡しを命じた。女性は大
東京都内のある児童養護施設で14日、出身者の成人を祝う会が開かれた。施設は原則18歳で出なければならず、退所後の社会的な支援も十分ではない。「ひとりじゃないよ」。そう伝えるため、当時の理事長の女性らが4年前に始めた。善意で寄せられた振り袖に身を包んだ新成人の門出を、職員や先輩が祝った。 施設の2階にあるホール。今年成人式を迎えた施設出身の男女7人が次々とやって来た。職員や先輩から歓声が上がる。「今、何してるの?」。話題はそれぞれの近況に移った。バイト、大学、就職、結婚……久しぶりの再会に話は盛り上がった。 児童福祉法上、施設で暮らせるのは原則18歳まで。退所後は親に頼れず、生活が行き詰まる子もいる。未成年者は保護者の同意がなければ賃貸住宅や携帯電話の契約もできない。 「退所後もケアを続けよう」と、施設を運営する社会福祉法人の当時の理事長、坂本輝子さん(64)が呼びかけ、「成人を祝う会」を始
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