東京都の小池百合子知事は1日、東村山市の国立ハンセン病療養所「多磨全生(ぜんしょう)園」を訪れ、入所者と面会し長年の労苦をねぎらった。同園への都知事の訪問は57年ぶり。小池氏は「今なすべきことは、いまだに残るハンセン病への差別や偏見をどのように無くすのかだ。国立施設ではあるが、都として解消に努めたい」と述べ、国と共同で啓発イベントを開催する意向を示した。 小池氏は納骨堂で献花した後、面会した入所者から差別解消に向けた対応強化などを求める要望書を受け取った。小池氏は入所者の高齢化が進んでいることも念頭に「要望にしっかり対応したい。園の中で一生を暮らさざるを得なかった方々のことを考えると、こうした差別を繰り返してはいけない」と指摘した。
ハンセン病患者が当事者となった裁判を裁判所外に隔離して設置された「特別法廷」で審理した問題で、最高検は31日、最高裁が違法性を認めた昭和35年以降の法廷に関与したことの責任を認め、謝罪した。特別法廷をめぐり、検察庁が謝罪したのは初めて。 最高検検事らが、昭和28年に熊本地裁で死刑が言い渡され、執行された「菊池事件」の弁護団と熊本地検で面会し、「責任を感じている。おわびしたい」と書面を読み上げた。 一方、最高検は弁護団から要請を受けていた菊池事件の再審請求はしないと回答した。また、弁護団は検事総長が最高裁に対し判決内容を改める「非常上告」を行うことを求めているが、最高検は35年以降にほかの事件で設置された特別法廷についても、非常上告の理由があるとは認められなかったと伝えた。 弁護団は不作為を問い、国家賠償請求訴訟を起こすとしている。弁護団の徳田靖之団長は会見で「最高裁の調査に乗っただけ。再審
記者会見で国賠訴訟を起こす方針を明らかにする徳田靖之弁護士(右)ら=熊本市中央区京町で2017年3月31日午後0時8分、土田暁彦撮影 ハンセン病患者の裁判が裁判所外の隔離施設などに設置された「特別法廷」で開かれていた問題で、最高検は31日、薬の普及で治療が確実となった1960年以降の26件の刑事裁判について「最高裁が違法としており、事件に関与した検察官としてもおわびする」とのコメントを公表した。当事者である被告に限らず、裁判の手続きによって差別や偏見を受けた全ての元患者に対する謝罪だとしている。 最高裁は昨年4月、ハンセン病の場合は病状などを検討せずに特別法廷の設置を認めた運用について「60年以降は差別的な取り扱いが強く疑われる」とする調査報告書を公表し、謝罪していた。
平成26年に開設された性暴力被害者を支援する「性暴力被害者総合ケアワンストップびわ湖」(SATOCO)の相談件数が、急増している。滋賀県の担当者は「広報活動などで多くの人に知ってもらえるようになった」とするが、一方で浮上するのが24時間態勢で対応する相談員への負担の問題だ。「このままでは一人あたりの負担が大きくなりすぎる」として、増員を求める声も上がっている。 SATOCOは、性犯罪や性暴力の被害者のケアを一元的に対応するため、県と県警、NPO法人「おうみ犯罪被害者支援センター」、県産婦人科医会が26年に設立。被害者からの相談の電話やメールに対し、二次被害が発生しないよう専門の講習を受けた看護師らが、休日平日問わず、24時間体制で受け付けている。 県内の薬局で案内広告板を置くなどの広報活動を行って徐々に認知度は高まりつつあり、26年度の相談件数は363件だったが27年度は733件と倍増。さ
「子どもを性被害から守るための条例」が施行されたのを受けて県は27日、性暴力に遭った被害者のワンストップ支援を行う「県性暴力被害者支援センター『りんどうハートながの』」を開設する。同日午前8時半から、24時間対応のホットライン専用電話(電)026・235・7123を設け、専門知識や経験を持つ支援・相談員が心理面や医療的措置、法律的な対応、生活、福祉に至るまで被害者に寄り添ったケアを行う。 性暴力の被害者は行政や警察、医療機関などに繰り返して被害状況を話すことが求められ、心の傷をより深くする二次被害が懸念されている。そこで県は、県内4広域に配置する15人の現地支援員が被害者からの相談内容を把握したうえで、医療機関の受診や弁護士相談などの対応に同行し被害者に代わって状況を説明する仕組みを構築した。 内閣府が平成26年12月に実施した男女間の暴力における調査では、1811人の女性回答者の6・5%
配偶者や恋人からの暴力(DV)に悩む男性の相談が、県内で増えている。県は1日、男性と性的少数者(LGBT)専用の無料電話相談を始めた。男性の臨床心理士が相談に応じる。 県男女共同参画推進課によると、県内10か所の配偶者暴力相談支援センターに寄せられる男性からの相談は、2011年度の23件が14年度には59件に増加。身体的な暴力、無視したり罵倒したりする精神的暴力など、DV被害の内容に大きな男女差はないという。 センターに悩みを打ち明ける大半は女性だが、男性も相談しやすいように専用の窓口を設け、新たに男性の臨床心理士を採用した。民間施設を活用した緊急避難の対応も可能という。 同課は「男性の被害に対する理解はまだ進んでいないが、一人で悩まずに相談してほしい」としている。 相談窓口は次の通り。 ▽男性DV被害者のための相談ホットライン(水・木曜の午後5~8時、金曜の正午~午後4時、092・571
自然災害前からのローンに加え、生活再建や事業に向けた新たな借金も背負う「二重ローン問題」。被災者の重い負担を防ぐため、すでに抱えているローンを金融機関が減免する新たな制度が熊本地震で動き出した。金融機関には被災者の相談が寄せられている。 2011年の東日本大震災の被災者を対象につくった制度を他の災害に広げるため、全国銀行協会(全銀協)などが昨年12月にガイドラインをまとめ、4月から制度をスタートさせた。対象は災害救助法の適用を受けた地域で住宅や事業などのローンを払えなくなった被災者。熊本地震の場合は同法が適用された熊本県だけでなく、大分県などでも被災者の事情に応じて金融機関が対応する。 減免が認められれば、生活再建に必要な現金や預金(上限500万円)を手元に残し、残りでローンの一部を返済し、返しきれない分は減免される仕組みだ。自己破産と異なり、ローンを払えなかった記録が残らず、新規ローンや
DVシェルター移転再開=大阪府警、所在地漏えいを謝罪 ドメスティック・バイオレンス(DV)被害者の一時保護シェルター所在地を大阪府警が加害者に漏らしたとして、シェルターを運営するNPO法人代表の女性(71)が大阪簡裁に申し立てた民事調停で、女性は31日までに府警の謝罪を受け入れ、申し立てを取り下げた。シェルターは昨年末、府から100万円単位の補助金を受けて移転再開したという。 女性の代理人によると、府警は各署に「DV被害者情報の保護の再徹底」を通知し、幹部が女性に「今後、関係者に危険が及ぶ恐れがある場合には適正に対応する」との書面を提出した。 女性は昨年8月、移転しないまま被害者を受け入れるのは危険として調停を申し立てた。この日、大阪市内で記者会見し「DV被害のない社会になるよう各行政機関とも連携協力し、常に当事者の味方として頑張っていく」と話した。(2016/05/31-19:08)
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