青森県東北町の町立中学1年の男子生徒(当時12)が一昨年8月に自殺した問題で、町いじめ問題再調査委員会は9日、報告書を蛯名鉱治町長に提出した。新たないじめを認定して自殺との因果関係を認めた上で、「学校の対応の不備が原因となった可能性を否定できない」とした。 男子生徒は2016年8月19日、「いじめがなければもっと生きていたのにね」などと書いた遺書を残して自宅で自殺した。町いじめ防止対策審議会が同年12月、いじめや本人の特性など「様々な背景が複合的に関与していた」とする報告書をまとめたが、「原因はいじめだけだ」とする遺族の要望で再調査をした。 今回の報告書は、男子生徒が後ろの席の同級生に何度もいすを蹴られていたことを新たにいじめと認定。これは学校側が同級生に、男子生徒が授業に集中していない時に「支援」をしてほしいと依頼した結果だったとした。男子生徒が学校側に「嫌だ」と訴えたのに、やめなかった
大阪市立桜宮高校バスケットボール部の男子生徒が顧問だった男性から暴行を受けて自殺した問題で、市が遺族に支払った賠償金の半額を元顧問の男性に求めた訴訟の判決が16日、大阪地裁であった。元顧問は反論しておらず、長谷部幸弥裁判長は請求通り4361万円の支払いを命じた。公務員の賠償責任を被害者・遺族が直接問うのは法的に困難ななか、生徒の両親は今回の判決が教育現場の暴力の抑止力になれば、と望んでいる。 部の主将だった生徒は元顧問から暴力や暴言を受け、2012年12月に自殺。元顧問は傷害罪などで有罪判決を受けた。遺族は13年、市を相手に東京地裁に損害賠償請求訴訟を提起。判決に基づき、市は遅延損害金を含め8723万円を支払った。 今回の大阪の裁判で、元顧問は「判決に従う」と争わない姿勢を表明していた。判決は16日、市が支払った賠償金と元顧問の暴行の因果関係を認定し、市の請求通りの支払いを元顧問に命じた。
愛知県豊橋市立岩西小学校の男性教諭(43)が児童の頭を黒板にぶつけるなどの体罰を加えたとされる問題で、県教育委員会は9日、この教諭を停職6か月の懲戒処分にした。 教諭は同日付で依願退職した。 発表によると、教諭は昨年4~10月中旬、担任だった2年生8人に対し、複数回黒板に額をぶつけるなどしたほか、顧問を務めるバスケットボール部の6年生1人に体罰を加えた。児童9人に対する体罰は計14件で、教諭は児童らに、暗に口止めするような発言もしていたという。 教諭は2012年にも、4年生の女子児童に対する体罰で戒告処分を受けており、県教委の調査に「指導に熱が入るあまりやってしまった。過去に処分を受けながら繰り返し、恥ずかしい」と話したという。 また、県教委は同日、尾張地区の県立高校で、2年生の女子生徒にわいせつな行為をしたとして、男性教諭(26)を停職6か月の懲戒処分にした(同日付で依願退職)。
耳の不自由な子供たちが歩道に倒れて動けなくなり、駆け付けた職員らが「頑張れ」と手話を使い、必死に励まし続けた--。大阪府立生野聴覚支援学校(大阪市生野区)のすぐそばで1日、下校中の児童と教諭がショベルカーにはねられ、5人が死傷した。聴覚障害のある児童のため、通学路での安全運転を呼びかけていただけに、住民らはショックを受け、悲痛な表情を浮かべた。 ショベルカーの後方で車を運転していた40代の男性によると、砂を積んだショベルカーが突然速度を上げ歩道に向かった。男性が降りて駆け寄ると、児童らが車体の周りで倒れていた。近くの病院にいた男性(64)は「児童らを、教諭らが手話を交えて声を掛けながら心臓マッサージなどをしていた」と現場の様子を振り返った。
教え子に対するわいせつ行為で処分された教職員は増加している。文部科学省によると、2016年度に懲戒や訓告などの処分を受けた全国の公立学校の教職員は、統計を取り始めた1977年度以降で最多の226人。うち半数近くは勤務先の子どもが被害を受けていた。5年前(11年度)と比べると、処分者は1・3倍(56人増)に増えた。 16年度の処分事案のうち、35%(80人)は教室や保健室、体育館などの校内での行為だった。前年度の23%から大幅に増えた。 子どもへの性暴力に詳しい大妻女子大人間生活文化研究所の徳永恭子研究員によると、校内の死角で被害に遭うケースが多い。徳永さんは「とくに小学生は被害をどう伝えていいかわからず、黙っているケースも少なくない」と指摘する。 京都府内では16年度の処分…
京都地裁(御山真理子裁判官)は25日、勤務する小学校の7人の女児にわいせつ行為をしたとして起訴された元講師の男(28)に対し、懲役9年(求刑・同10年)を言い渡した。子供にとって安心できるはずの学校で、「魂の殺人」とも言われる性暴力はなぜ繰り返されたのか。事件発覚後、京都府教委は、所管する全校で研修を実施するなど再発防止に取り組むが、実効性の高い対策は見いだせていないのが実情だ。【飼手勇介】 判決によると、被告は小学校の屋上やトイレなどで、女児7人の服を脱がせて動画撮影をしたり、下半身を触ったりした。判決は女児に口止めしたり、嫌がられると別の女児を狙ったりと約2年2カ月で9件もの犯行を重ねたことを挙げ、「刑事責任は重い」と厳しく非難した。
いじめ問題が起きたら、まずは弁護士に相談する。そんな流れになっていくのだろうか。文部科学省が来年度、全国10カ所で学校に弁護士を派遣する取り組みを始める方針だと8月24日、NHKで報じられた。 報道によれば、いじめ調査を行う際に、学校の求めに応じて弁護士が派遣されることになる。「スクールロイヤー」という制度だ。 学校問題に詳しい弁護士は、文部科学省の方針をどう評価するだろうか。いじめ調査に弁護士はどのようにかかわり、どのような効果があると考えられるだろうか。舟橋和宏弁護士に話を聞いた。 ●スクールロイヤーの意義とは? 「『スクールロイヤー』制度とは、大阪府でも実施されていますが、学校内で問題が起きた際に、弁護士会と教育委員会の連携のもと、学校に弁護士が派遣されるというものです。 たとえば、いじめ問題では、どのような取り組みになるのか。おそらく、いじめ被害者側の代理人として派遣するのではなく
医療的ケア児の通学の付き添いは保護者にとって大きな負担だ。文部科学省が2016年に行った保護者調査によると、付き添いの回数について半数近くが「平均週10回以上」と回答。交通手段は9割以上が「自家用車」で、ほぼ毎日、保護者の運転に頼っていた。多くの自治体は医療的ケア児のスクールバスでの集団送迎を禁じている。根拠の一つが、文科省が11年に都道府県教育委員会などに送った通知。「移動中の対応は危
あらゆるモノがインターネットにつながるIoT(モノのインターネット)技術を、子供の登下校時の見守り活動に活用しようとの動きが、県内でも出ている。奈良市は新学期からICタグで児童の登下校状況を把握するシステムを都跡、大安寺、富雄北の3小学校で試験的に導入し、2018年度中に全市立小43校での運用を予定する。市は「見守りボランティアが高齢化する中、最新技術を使って負担軽減につなげたい」としている。【塩路佳子】 市によると、ICタグは縦6・5センチ、横4・2センチで、NPO法人「ツイタもん」(大阪市)がサービスを提供する。タグを身に付けた児童が校門を通過するとセンサーが感知し、職員室の専用パソコンに通過時間が通知される。
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