「恋する豚研究所」「多古新町ハウス」 介護や障害福祉サービスの提供者が、地域産業と連携し、垣根を越えて地域のニーズを拾っていこうという取り組みが芽生えている。福祉にとどまっていては、人口減や高齢化で疲弊する「町」の課題に対応できないとの思いがある。町から生まれ、町を元気に-。先駆的な2つの事例を紹介する。(佐藤好美) ◇ 東京駅前の複合商業施設、丸ビルにある総合食料品店「明治屋」。ワインやチーズ、ジャムなど国内外のおしゃれでおいしい物に肩を並べて、「恋する豚研究所」(千葉県香取市)のハムやベーコンが置かれている。 作ったのは、社会福祉法人「福祉楽団(がくだん)」の就労継続支援事業所「栗源(くりもと)協働支援センター」(同)で働く障害者ら。だが、パッケージに福祉色はない。同法人常務理事の飯田大輔さんは「福祉を売りにしたり、言い訳にしたりしたくない。味と品質で日本の大手と勝負していく」と言う。