「うーん、この文字は僕には見えないな」「画面が切り替わったかどうか、これじゃあ分からない」。スマートフォンアプリの使いにくさを、容赦なく指摘するユーザー。その様子を、隣で真剣に見つめる開発者――。 2016年9月28日、スマートフォンアプリのユーザーテストを公開型で実施するイベントが、東京・千代田区のヤフー本社で開催された。テストの実施者を務めたのは、視覚障害を持つ二人のユーザーだ。 年齢や障害の有無などにかかわらず誰もが必要な情報にアクセスできるようにする、いわゆるアクセシビリティを高めるための取り組みは、Webサイトを中心にある程度進んでいる(関連記事:障害者差別解消法で求められるWebアクセシビリティ)。だが、Webサイトと比べればスマートフォンアプリのアクセシビリティ確保は遅れている。視覚障害者が実際にアプリを試用することで、スマートフォンアプリならではの課題が浮かび上がった。 ど
日本盲導犬協会(東京)は、視覚障害者や聴覚障害者の歩行をサポートするため、障害物との距離を測定する福祉機器の開発をメーカーと進めている。すでに試作機は完成しており、早ければ来年4月にも発売する予定だ。 開発中の福祉機器は、壁や道路との距離を知らせる「ソナー(仮称)」で、マイクロ波を発信して2メートル以内にある物を感知し、視覚障害者に音と振動で知らせる。 また、視覚障害者が周囲の人に自分の存在を知らせる「レーザーライト(仮称)」も開発中だ。レーザー光線を出したり、点滅して周囲の人の注意を喚起。衝突を避けてもらう。水平より上に向けるとレーザー光線は消える仕組みで危険性を抑えてあるという。 視覚障害者にとって歩行時は盲導犬や白杖が頼りだが、「(危険回避には)限界がある」(同協会)といい、実際に障害者が歩行訓練して得た経験を基に考え出された。 同協会で盲導犬育成統括責任者を務める多和田悟理事(63
左腕に筋電義手を着けて、傘の柄を改造したおもちゃの釣りざおで遊ぶ亮介くん。左は作業療法士の三神敬弘さん=東京都文京区の東大病院で6月、宮武祐希撮影 筋電義手は、筋肉が発する微弱な電流を感知して思い通りに手先を動かすことができるロボットハンドだ。兵庫県立リハビリテーション中央病院(神戸市西区)では普及のため、「小児筋電義手バンク」を設立。全国からの寄付金などで購入して、必要な子どもに無償で貸し出している。 生まれつき両手足の先がなく、同病院でバンクから貸与された義手で訓練に励む神戸市西区の前川夢奈(ゆな)ちゃん(2)に私が出会ったのは、昨年秋ごろだった。夢奈ちゃんは初めは母のジェさん(35)に抱かれて恥ずかしそうにしていたが、義足を着けると元気よく歩き始め、小さなおもちゃの人形を一つずつ箱に入れる訓練を根気強く繰り返した。最近は反抗期で、訓練を嫌がることもあるというが、自分から進んで義手を着
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