子どもの居場所づくりに取り組んで10年。大阪市西淀川区御幣島(みてじま)を拠点に活動するNPO法人西淀川子どもセンターが、大阪弁護士会が毎年選ぶ「人権賞」を受賞した。大切にしているのは、子どもたちと「同じ目線」でいることだ。 「ハンバーグみたいになってもうた!」。今月14日午後6時、改装した古民家の一室。子どもたちがスープに入れる鶏団子を両手で丸めながら、はしゃいでいた。隣の部屋には食器を運ぶ子や、ボランティアから勉強を教えてもらう子の姿も。この日は目玉事業の一つ「いっしょにごはん!食べナイト?」。9人で「いただきます」をしてから、帰宅する午後8時まで笑い声が響いた。 センター代表の西川日奈子さん(61)は1999年に保護司となり、非行に走る子どもの孤独を目の当たりにしてきた。「学校が嫌や」「家に帰るとお父ちゃんが暴力をふるってる」。そんな境遇の子が想像以上に多くショックを受けた。 家庭に
子どもへの特定の性犯罪で刑を受けた人について、再犯を防ぐため、警察が出所後に所在を確認したり面談したりする取り組みを続けている。近年、所在がわからない対象者は大幅に減り、再犯傾向もわずかながら改善。警察庁は「一定の効果を上げている」と評価している。 2004年11月の奈良市小1女児誘拐殺害事件をきっかけに、13歳未満の子どもに対する強姦(ごうかん)罪や強制わいせつ罪などで刑を受けた出所者の氏名や住居などの情報を法務省から警察庁に提供する制度が05年6月にスタート。各都道府県警本部と住居を管轄する警察署が連携して数カ月に1回程度、対象者の居住状況を確認して情報を共有している。 当初は、社会復帰の妨げにならないよう対象者に接触はせず、様子をうかがう程度で、10年5月末時点で対象者740人のうち200人(27・03%)の所在を確認できなかった。再犯も少なくなかったことから、警察庁は11年4月、同
東京・世田谷区は、いわゆるLGBTの人たちを対象にインターネットでアンケート調査を行ったところ、7割を超える人が戸籍上同性どうしでも結婚できるようになることを望んでいることがわかりました。 それによりますと、同性パートナーと暮らすうえで困ったことを聞いたところ、「医療や福祉で法律上の家族と同等のサービスを受けられないこと」が30.6%、「遺族年金や扶養控除など家族を対象としたサービスを受けられないこと」が26.1%などとなりました。 そして、国や自治体に望むことについては、戸籍上同性どうしでも結婚できるようにすることや、LGBTの子どもたちが差別されず、将来に希望を持てる教育に取り組むことなどを求める人が7割を超えました。 また調査では、自殺を考えたことがあるかと尋ねたところ、49.7%に上る人があると回答しました。 世田谷区はこの調査結果を基に、来年3月に新たな計画を策定するなどして、L
近畿都市部の児童相談所(児相)での勤務経験がある丸山隆さん=仮名=は、どれほどの表面化しない虐待があるのかと思い悩む日々を送る。 数年前の秋口、ある住民が夜更けの住宅街を1人歩く幼い少女を見かけた。「こんな子供いたかな」。何げなく後をつけていくと、アパートの一室に消えた。 地元の小学校に問い合わせたが該当する子供はいない。住民は虐待を疑い、学校を通じ児相に通告。対応した丸山さんはアパートの大家に尋ねたが「子供が一緒にいるとは聞いていない」。部屋にも直接訪問したが応答は一切なかった。 連絡を取りたいと手紙を何度もドアに挟んだが、これにも反応はない。《このままでは子供を保護するとともに罰金が科せられる》。この文句を添えると、ようやく連絡があった。 「子供は大丈夫だ」。両親は訴えるが、室内はゴミが散乱し、床にはゴキブリがはっていた。少女も薄汚れており、明らかなネグレクト(育児放棄)だ。聞けばギャ
わきにある刺し傷を見ると、よく生き残って来られたものだと、大阪市内の上原よう子さん(34)は、今でも思う。 実父の虐待は生後まもなく始まった。3歳のとき、母の手伝いをし、お盆に載せたおかずを食卓に運ぶ際に転んでしまった。逆上した父が手にしたのは、果物ナイフだった。 それが、わきの傷だ。愛想を尽かした母は、離婚して2つ上の兄とともに家を飛び出してくれたが、平穏は長くは続かない。母が再婚した相手も、また、子供に暴力をふるう人だった。 職に就かず、昼間から酒を飲み、パチンコに負けては兄や私に手をあげた。中学にあがる頃には、学校に行かせてもらえず、監禁状態になった。風呂に何度も沈められ、鉄パイプで頭を殴られることもあった。 「憂さを晴らしていたのだろう」。そう思う。風呂嫌いになり、年中、肩にふけをためていた。たばこの火を体に押し当てられ、背中にも無数の傷がある。兄は腕がケロイド状になり真夏も長袖が
大阪市内に住む40代の今井陽子さん=仮名=は一枚の手紙を見ると今でも胸が締め付けられる。高校1年になる長女(16)が小学4年のときに書いた手紙だ。 「ママへ」で始まる、その手紙には、手袋を紛失したことをわびる内容がびっしりと記されている。当時、今井さんは、娘に虐待を加えて何かの度に激しく叱責していた。 手をあげる際、娘はビクッとするしぐさを見せ、背を向けることがあったが、止めることはできず、その小さな背中を蹴り上げることもあったという。 《バカなのでうまれてこないほうがよかったのかなぁって思っています》 ここまで娘を追い詰めていたのだと思うと心が痛む。 だが、この手紙をもらった後も、娘への虐待はなかなか止めることはできなかった。新聞で目にした子育てサロンに参加し、すべてを打ち明けることで、心の荷が下り、以降は一切手を出していないが、虐待は小学5年の終わりまで続いた。 大阪では、堺の3歳児遺
女が生活保護費など管理=集団生活の女性死亡-兵庫県警 兵庫県川西市の民家で2013年、集団生活していた肥後恭子さん=当時(25)=が暴行され死亡した事件で、傷害致死容疑で逮捕された4人のうち、無職田口恵子容疑者(32)が生活保護費や同居人の給与などを管理していたことが26日、捜査関係者への取材で分かった。県警は、田口容疑者が暴行を主導した可能性があるとみて調べを進める。 捜査関係者によると、08年ごろ田口容疑者と肥後さんの元夫の弟下地道嗣容疑者(34)が内縁関係になり、下地容疑者と幼なじみだった肥後さんの兄(29)と同居を開始。そこに肥後さんや子供らが次々と加わり、3軒の民家を行き来しながら集団生活を送っていた。 今年7月、同居していた20代女性から「給与のほぼ全額を渡している」と聞いた知人が、県警に「支配されたような生活をしているのではないか」と相談。捜査の結果、田口容疑者らが今回逮
熊本県長洲町教育委員会は24日、町立中学校で男子生徒が女子生徒に暴力を振るった事案を調べるため同級生に書かせたメモを、学校が廃棄していたと発表した。町教委は「不適切とは言えない」としているが、女子生徒側は「事実を知る機会を失い精神的苦痛を負った」として、町を相手取り損害賠償を求める訴訟を起こす考えだ。 町教委によると、女子生徒は2012年2月28日、授業中に男子生徒に左耳付近をたたかれ転倒。さらに左足も踏まれた。女子生徒は耳が聞こえにくくなるなどした。 担任は、男子生徒から暴力を受けたことがあるかや、暴力を知っていたかなどを約30人に調査。白紙に記名させ、質問の答えをメモさせた。担任はその内容を校長に報告し、1カ月以内にメモを廃棄したという。町教委は「公文書ではなく、保管する取り決めもないので、不適切とは言えない」としている。 学校は同年9月、約25人が男子生徒にたたかれるなどしたと答えた
相次ぐ児童虐待を受け、大阪府警は来年4月に、都道府県のわくを超えて所在不明の子どもを追跡し、安否を確かめる専門部署「児童虐待対策室」を設ける方針を決めた。捜査関係者が明らかにした。トップに警視の専属所属長を据える。警察庁は都道府県警のこうした部署を「ほかに把握していない」としており、全国初とみられる。児童相談所(児相)や自治体と連携し、事件を未然に防ぐ。 対策室は生活安全部少年課に設置。計15人程度の組織となる見通しだ。大阪府内では11月、行政側が3年前から所在を確認できていなかった梶本樹李(たつき)ちゃん(死亡当時3)=堺市北区に住民票=の遺体が山中で発見される事件が起きた。府警が死体遺棄などの疑いで逮捕した父母は様々な理由で、樹李ちゃんの健康診断の受診を拒んでいた。 これまでは健康診断を受けずに転居するなど、理由がわからないまま子の所在が長期間確認できない場合、多くは転居先の警察に情報
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