特別養子縁組支援に携わる、NPO法人フローレンスの駒崎です。 社会的養護業界にとっては、「革命」と言っても良いニュースが飛び込んで来ました。 本記事ではこの「新しい社会的養育ビジョン」を簡単に解説します。 【ポイントは何か】 60ページの資料になるので、筆者が特に大切だと思ったポイントを箇条書きで専門用語は言い換えて、ピックアップします。 ・子どもを地域で支援するソーシャルワーク体制を創る ・中でも児童虐待に関しては、児童相談所の指導のもと、市区町村で集中的に高リスクな家庭を積極的に支援しにいくような体制を創る ・でも、親子を分離しなきゃいけないケースもある。これまでの児童相談所にある一時保護所は、むやみに長期滞在させたり、そこから学校に通えなかったり、いろんな問題があったので、それは早期に解決する ・また、親と離れて子どもが暮らさざるを得ない場合は、施設じゃなくて里親や特別養子縁組を基本
今年上半期(1~6月)の児童虐待の群馬県警への相談件数は103件で、昨年の同時期(118件)に続いて2年連続で100件を超えた。 相談件数が多いのは、児童虐待に対する社会的関心が高まり、警察へ積極的に通報するケースが増えたためとみられる。県警は、「通報は子供を虐待から救う唯一の手段」とし、積極的な通報を呼びかけている。 県警は4日、群馬医療福祉大学の3年生約60人を対象に、同大本町キャンパス(前橋市本町)で、児童虐待に関する講話を行った。 講師を務めた県警少年課の本宮博巳警部補(43)は、暴行を受けた子供の写真を見せ、「虐待を受けている子供は、手の甲や背中、首、わきの下などにあざや傷ができていることが多い」と説明した。手の甲は、暴行を受けた時に自分の身を守ろうとしてあざなどができる。首やわきの下といった部分は、転ぶなどしても傷などはできにくい。 本宮警部補は「子供が、何日も洗濯をしていない
急増する児童虐待への通報に対応するため、厚生労働省が、子供も多く利用する会員制交流サイト(SNS)から通報や相談の受理を検討していることが4日、分かった。現在、全国的な受け付けは電話のみで、虐待を受けた子供本人からの通報はごくわずかしかない。近隣住民も含めて、通報のハードルを下げ、声なき声を拾う。 児童虐待の通報や相談は現在、24時間体制の全国共通ダイヤル((電)189)で受け付けている。固定電話でかけると、全国に約200カ所ある児童相談所(児相)のうち、近隣の児相につながる仕組み。 厚労省によると、LINE(ライン)やツイッターなどSNSの幅広い普及で、電話通報と実態のミスマッチがある。SNSの導入に向けては、セキュリティーやプライバシーをどう守れるかが課題になるという。受理した通報は、いたずらが含まれている可能性もあり、見定めた上で児相などが対処する。 厚労省のまとめによると、全国の児
兵庫県姫路市で今年5月、両親から1歳の次男が暴行を受け、意識不明の重体となっている事件で、暴行の約2カ月前、市が両親と一度も面会できないまま虐待リスクについて「一時保護の緊急性は低い」と判断していたことがわかった。市が3日、記者会見を開き、明らかにした。 この事件では、建設作業員の父親(30)が傷害罪で起訴され、公判中。母親(24)は暴行罪で懲役1年執行猶予5年の有罪判決を受けている。 市こども支援課などによると、両親は姫路市から同県市川町にいったん転出した後、今年1月に次男とともに再び転入。市は、約2年前に長男(7)も同市内で虐待を受けて児童福祉施設に入所していることを把握していた。 次男は乳幼児健診を受けておらず、育児放棄の恐れもあるとして、市の保健師が2月の日中に6回、自宅を訪問したが、両親と次男には会えなかったという。 このため、同課は3月に虐待のリスクを判定しようと、国の手引に基
児童虐待などで親元で暮らせない子どもの受け皿について、厚生労働省は31日、就学前の子どもの75%以上、就学後の50%以上を里親に担ってもらう新たな目標を公表した。いまは複数の里子を受け入れるファミリーホームを含めて2割に届かず、大半が児童養護施設などの施設が担っている。多くの子どもがより家庭に近い状況で暮らせる環境づくりを促す狙いだ。 この日開いた親元で暮らせない子どもを養育する社会的養護の新しいあり方を議論する有識者検討会に示した。大筋で了承され、近く導入される。新しい目標では、特定の大人と安定した関係をつくる「愛着形成」のために家庭に近い環境で育てることが望ましいとし、就学前の子どもは原則、施設入所を停止することも掲げた。 3歳未満はおおむね5年以内、3歳~就学前はおおむね7年以内に里親とファミリーホームへの委託率75%を達成させる。就学後の50%以上については10年以内の目標達成を目
でもお母さんはアルコール依存になってしまいました。お酒を飲めば、ゆいちゃんの前でもリストカットをします。ゆいちゃんには絶対に手をあげないけれども、お父さんに暴力を振るうことはあります。病院に連れて行こうとすると、お母さんは激しく抵抗します。ただ実際に病院に行くと、問題がないふうを装うので、医者がお母さんを入院させることはないのです。
虐待された子どもたちを受け入れる「一時保護所」について、厚生労働省は初めて全国的な実態調査に乗り出す方針を固めた。児童虐待の急増で利用が増えており、劣悪な環境の施設がないか点検する狙い。生活環境や職員の対応を調べ、改善につなげる。 調査は全国共通の評価基準をつくり、一時保護所が第三者機関に委託して行う予定。厚労省が25日にも開かれる有識者検討会で方針を示す。 一時保護所は児童相談所の付属施設で、全国に136カ所ある。虐待を受けたり非行で保護されたりした、おおむね2歳から18歳未満の子どもを一時的に受け入れる。対応件数は増加傾向で、2015年度は2万3276件で前年度から1271件増えた。 定員を超えて受け入れている施設も8カ所あり、環境悪化が懸念されている。公的な調査は横浜市と堺市が独自に行っているだけで、厚労省が実態を把握する必要があると判断した。 15年から2年かけて10カ…
熊本の「赤ちゃんポスト」10年:設置効果に疑問、子どもの「出自を知る権利」尊重を 社会 2017.07.22 親が育てられない子どもを匿名で受け入れる、慈恵病院(熊本市)の「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」が開設されて10年。これまでに130人の子どもが預けられた。筆者は、ポストの設置効果には疑問があるとし、子どもの「出自を知る権利」を尊重すべきだと指摘する。 閑静な住宅地にある慈恵病院。敷地の中の細い路地を通った先にある小さな扉が、赤ちゃんポストだ。同病院の蓮田太二理事長が2007年5月、ドイツをモデルに開設した。ドイツでは1999年から赤ちゃんポストが設置され、一時は90カ所ほどあったという。 必要なのは生まれる前の周囲の対応厚生労働省によると、2014年度に日本で虐待死(心中以外)した子どもは44人と、前年度より8人増えた。0歳児が27人で61.4%を占める。過去10年間を見
児童虐待などで親元で暮らせない子どもの受け皿づくりに向け、厚生労働省は新しい目標を打ち出す方針を固めた。より家庭に近い環境を重視することが柱で、里親への委託や特別養子縁組を優先。児童虐待の急増が背景にあり、特定の大人と安定した関係づくりを促す狙いだ。 こうした受け皿で育てることは「社会的養護」と呼ばれ、児童福祉法に基づいて施設などが担っている。厚労省は25日にも開かれる有識者検討会で、新しい目標を提案。了承されれば、来月にも導入する。 社会的養護はもともと孤児への対応が主眼で、2010年時点で施設が9割を占めていた。だが、虐待された子どもは集団生活よりも特定の大人による対応が望ましいため、11年に里親やファミリーホームなどの割合を29年度までに3分の1に引き上げる数値目標を設定。15年4月時点には15・8%になった。 新しい目標は、児童虐待を未…
虐待を受けて入院し治療が終わったにもかかわらず、受け入れ先がないなどの理由で退院できなかった子どもが去年までの2年間で350人余りいることについて、塩崎厚生労働大臣は「児童相談所がなぜ子どもを病院に放置するのか、理解できない」などと述べ、実態調査を行ったうえで対策を検討することを明らかにしました。 これについて、塩崎厚生労働大臣は21日の閣議のあとの記者会見で「児童相談所がなぜこうした子どもを病院に放置するのか、理解できない。虐待の対応が増えて忙しいという話もあるが、子どもの発育によくないだけでなく、病院にも迷惑をかけている」と述べ、近く全国の児童相談所を対象に実態調査を行ったうえで対策を検討することを明らかにしました。 そのうえで、「子どもが健全に育つ権利を守るためにも、子どもにいちばんあった形での養育を実現したい」と述べ、施設への入所だけでなく、より家庭的な里親への委託や、特別養子縁組
保護者による入院中の子どもへの虐待は、全国各地の病院で起きている。小児科医らによる今回の調査では、その一端が明らかになった。 身体的な虐待では、感染症で入院した子どもに対し「激しく怒鳴っている、布団を覆せて殴っている」と同室の子の親から相談があった▽肋骨(ろっこつ)を複数骨折していたが、母が面会した後、新たな骨折が判明、といった事例があった。 保護者が、子どもをわざと病気にして献身的に看護し、周囲の注目を集めようとする「代理ミュンヒハウゼン症候群」のケースも多い。子どもの点滴に排泄物(はいせつぶつ)や異物を混入する、などだ。また、輸血拒否など適切な治療をさせない「医療ネグレクト」もあった。 調査チームの一人で、国保旭中央病院(千葉県旭市)小児科の仙田昌義医師は「入院中の虐待は予想以上に多かった。対策を考えるため、その後の経過や、児童相談所、警察がどう関わったかなどをさらに詳しく調べたい」と
虐待によるけがの疑いなどで入院中、院内で保護者から虐待を受けた子どもが、昨年までの2年間に28人いたことが小児科医の全国調査でわかった。入院の際、保護者以外に付き添う人の確保が難しいことが背景にあり、病院が必ずしも安全な場所になっていない実態が明らかになった。 前橋赤十字病院(前橋市)小児科の溝口史剛医師らが今年1月、小児科病床がある全国963病院を対象にアンケートを郵送。454病院(47・1%)から回答を得た。 調査の報告書によると、虐待の疑いなどで入院した事例は2015~16年に全国で2363人。その1・2%にあたる28人が、看病で付き添い中の保護者から院内で虐待を受けていた。 また、この2年間に限らず、保護者による院内虐待について尋ねたところ、65人の事例が寄せられた。うち35人は死亡につながりかねない重度の虐待で、窒息による低酸素脳症の女児が親の付き添い中に大腿(だいたい)骨を骨折
全国の都道府県や政令市などが2012~15年度に把握した児童虐待による死亡例255件のうち、自治体が検証を実施したのは5割にとどまることが、読売新聞の調査でわかった。 厚生労働省は児童相談所を設置する全69自治体にすべての死亡事例を検証するよう求めているが、警察など関係機関との情報共有の難しさや職員の不足などから検証が進んでいない実態が明らかになった。厚労省は検証の実施を徹底するため、検証の手順などを示した指針を整備する方針だ。 児童虐待防止法は、国と自治体が重大な虐待事例を検証するよう規定しており、厚労省は11年、自治体にすべての虐待死事例を検証するよう通知した。読売新聞は今年6~7月、これらの69自治体に通知後の検証状況をアンケート調査し、すべての自治体から回答を得た。
生みの親が育てられない子どもと育ての親が戸籍上の実の親子となる特別養子縁組について、政府は対象年齢をいまの6歳未満から引き上げる検討を始める。虐待などで親元で暮らせない子どもが、一人でも多く家庭的な環境で育つことができるようにする狙いだ。法務省が月内にも有識者の研究会を立ち上げる。 特別養子縁組の成立件数は増加傾向で、2005年の305件から15年には544件になった。自分で育てるのが難しい親が増えており、虐待の増加も背景にある。全国の児童相談所(児相)が対応した18歳未満の子どもへの虐待は、15年度に10万件を超えた。 親元で暮らせない子どもの大半は、児童養護施設で暮らす。同施設や里親家庭にいる6歳以上は13年2月時点で約3万人。その一方で、児相が14~15年度に特別養子縁組を検討すべきだと判断した288件のうち、年齢要件が理由で成立しなかったケースが16%の46件あった。 こうした事情
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