相模原市の障害者施設殺傷事件を受けて、措置入院患者の支援を強化する精神保健福祉法改正案が17日、参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決された。改正法案をめぐっては、厚生労働省が当初掲げていた「事件の再発防止」という視点が欠落し、さらに野党側が警察の関与について「監視強化だ」と反発、法案の成立が危ぶまれていた。与党は衆院での議論を経て今国会での成立を目指している。 改正法では、措置入院患者が退院後も継続的に行政や医療から支援を受け、社会復帰できる仕組みを設けた。都道府県や政令市が医療機関と共同して「精神障害者支援地域協議会」を設置し、患者の入院中から個別の支援計画を作成。協議会には警察も参加し、犯罪行為に及ぶ疑いのある事例や薬物依存への対応も協議する。 厚労省は当初、法改正の趣旨を説明する概要資料に「二度と同様の事件が発生しないよう法整備する」と記載。しかし精神障害者支援団体などから
相模原市の障害者殺傷事件を踏まえた精神保健福祉法改正案で、与野党は16日、措置入院患者の権利を保護する観点から法施行3年後をめどに見直しを検討することを盛り込んだ修正案で合意した。これを受け、民進党が修正案の採決を受け入れて参院厚生労働委員会で可決。17日の参院本会議で可決され、参院を通過する見通しとなった。 法案は5年以内に「必要と認めたときは見直す」としているが、措置入院後の継続支援に警察が関与する仕組みに「精神障害者の監視や差別助長につながる」と反発する民進が見直し項目を具体的にするべきだと主張。3年後めどの見直し項目として①措置入院後の支援計画を作る手続きに患者本人や家族も参加する機会の確保②計画への異議、修正に関する手続きの整備③弁護士の選任機会の確保――が盛り込まれた。 民進は修正後の法案に反対したが採決には応じた。法案が犯罪防止を目的とするものではないことなどを強調した付帯決
自閉症や学習障害など発達障害の子どもが支援を受けながら、障害のない子どもと一緒に普通学級で学ぶ「インクルーシブ教育」。県は今年度、小学校しかなかった発達障害のある子どもに個別指導をする「通級指導教室」を中学校5校でも導入し、今後も拡充していく予定だ。就職や自立に大きな影響を及ぼす高校でも、文部科学省の支援を受け、障害に応じた補充指導を行う自立活動などを取り入れている。【ガン・クリスティーナ】 発達障害の生徒のための「グロウアップ」の授業を担当する原田裕太教諭(36)は自閉症の男子生徒がゆっくり書き上げた授業の振り返りシートを見て、「よく書けてる」と褒めた。もう一人の広汎(こうはん)性発達障害の男子生徒は「彼はうまく話せないけど、話せることはいっぱいあるよね」とさらに持ち上げる。
障害者の代筆投票を担う補助者を、選挙管理委員会職員らに限定した公職選挙法の規定は違憲だとして、先天性の脳性まひで両手が不自由な中田泰博さん(44)=大阪府豊中市=が、自ら選んだヘルパーの協力で投票する権利の確認を国に求めた訴訟の第1回口頭弁論が12日、大阪地裁(三輪方大裁判長)であり、国側は請求棄却を求めた。 中田さんは弁論で「投票先を誰に明かすかは、私自身で決めたい。障害を理由に権利を奪わないで」と意見陳述した。 訴状によると、中田さんは昨年7月の参院選の際、ヘルパーによる代筆投票を求めたが、豊中市選管が認めなかったため投票を断念。公選法の現行規定は「投票の秘密」を保障した憲法15条に違反していると主張している。
ホテルや旅館など宿泊施設のバリアフリー推進に向け、国土交通省は全客室を対象にした設計指針を改定した。高齢者や障害者が快適に過ごせるよう浴室やトイレの入り口では段差をなくした上、幅を80センチ以上確保することや字幕放送対応テレビの導入などを記載。2020年の東京五輪・パラリンピックを控え、運営側に新築や増改築時の参考にしてもらう。バリアフリー法に基づく国の基準では、客室が50室以上ある宿泊施設は
テニス会場では車いすの人でも通りやすいように周囲にらせん状のスロープが設置された=リオデジャネイロの五輪公園跡地で2017年2月5日午前11時14分、朴鐘珠撮影 2016年に夏季五輪・パラリンピックが開催されたブラジルのリオデジャネイロでは、大会のために新設された競技会場や交通機関はバリアフリーに対応していた。だが、従来の交通インフラや大会運営に問題は少なくなかった。リオの例は、20年東京五輪・パラリンピックが障害者にとって身近で気軽に観戦しやすい大会とするための教訓となる。【リオデジャネイロで朴鐘珠】 会場とその周辺、幹線道路などのインフラは整備・美化されたが、それはリオ市内のごく一部に過ぎなかった。市が計画した五輪に伴う障害者向けのインフラ改善は、主要観光地に限定されていたためだ。対象はコパカバーナ海岸やキリスト像で有名なコルコバードの丘など、五輪・パラリンピック期間中に多数の訪問者が
精神保健福祉法の改正案では、昨年起きた相模原の障害者施設襲撃事件の被告が、事件を起こす前に措置入院をしていたことから、措置入院患者の支援の強化が柱となった。今回の改正の問題点について、当事者や医師の方に伺った。2017年03月27日放送TBSラジオ荻上チキ・Session-22「相模原障害者施設殺傷事件をきっかけに政府が上程した『精神保健福祉法改正案』〜その問題点とは?」より抄録。(構成/大谷佳名) ■ 荻上チキ・Session22とは TBSラジオほか各局で平日22時〜生放送の番組。様々な形でのリスナーの皆さんとコラボレーションしながら、ポジティブな提案につなげる「ポジ出し」の精神を大事に、テーマやニュースに合わせて「探究モード」、「バトルモード」、「わいわいモード」などなど柔軟に形式を変化させながら、番組を作って行きます。あなたもぜひこのセッションに参加してください。番組ホームページは
昨年4月の障害者差別解消法施行から1年たった。その間にも、盲導犬利用者の6割以上が入店拒否や乗車拒否を受けた経験があることが、公益財団法人アイメイト協会(東京都練馬区)の調査でわかった。 盲導犬育成や視覚障害者の歩行を指導するアイメイト協会は今年2~3月、盲導犬、同協会提供=を利用中の248人にアンケートを実施。回答した121人のうち、62%にあたる75人が、法施行後に入店拒否や乗車拒否といった「差別的な扱いに遭ったことがある」と答えた。 多かったのは、レストラン(居酒屋、喫茶店を含む)が76%▽スーパーやコンビニが13・3%▽宿泊施設とタクシーがそれぞれ12%。また「初めて行った場所」が48%と最多だった一方、「自宅の周辺」も34・7%で次に多く、日常生活の中でも無理解を感じていた。周囲に対する要望は「困っている時は助けてほしい」が70・2%▽「盲導犬に触らないでほしい」68・6%▽「盲
1963年、福岡市長浜生まれ。1990年、東京理科大学大学院修士課程(物理学専攻)修了後、電機メーカで半導体デバイスの研究・開発に10年間従事。在職中より執筆活動を開始、2000年より著述業に専念。主な守備範囲はコンピュータ全般。2004年、運動障害が発生(2007年に障害認定)したことから、社会保障・社会福祉に問題意識を向けはじめた。現在は電動車椅子を使用。東京23区西端近く、農園や竹やぶに囲まれた地域で、1匹の高齢猫と暮らす。日常雑記ブログはこちら。 生活保護のリアル~私たちの明日は? みわよしこ 生活保護当事者の増加、不正受給の社会問題化などをきっかけに生活保護制度自体の見直しが本格化している。本連載では、生活保護という制度・その周辺の人々の素顔を紹介しながら、制度そのものの解説。生活保護と貧困と常に隣り合わせにある人々の「ありのまま」の姿を紹介してゆく。 バックナンバー一覧 昨年の
誰のため、何のための「改正」? 精神保健福祉法改正の構造的問題 竹端寛 障害者福祉政策 / 福祉社会学 福祉 #精神保健福祉法#社会福祉 本来の趣旨に添うならば 一般的に、法律は現実の後追いである。法律で対応できない・法律が想起していなかった、現に起こっている新しい問題に対応するためには、法律の改正が時として必要になる。ただ、それが「誰のため」「何のため」か、で改正される内容が大きく異なってくる。2017年の通常国会で審議されている「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」(以下、「精神保健福祉法」という。)の改正も、この根本の部分で構造的な課題を抱えている。 まず、精神保健福祉法とは、何のための法律なのだろうか。法第一条には、次のように書かれている。 「この法律は、精神障害者の医療及び保護を行い、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 (平成十七年法律第百二十三号)と相
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