人混みの中で、白い杖をまっすぐに掲げて立ち止まる視覚障害者。「白杖(はくじょう)SOSシグナル」と呼ばれるこの独特のポーズがTwitterで話題になっています。東京新聞の記事を引用しつつ、「(このサインを)見かけたら声をかけてあげてください」「この記事をシェアするだけでだれかの『困った』を解消して助けるコトができます」と呼びかけるツイートは、現在までに5万7000回以上リツイートされています。 この「白杖SOSシグナル」はもともと福岡県盲人協会が考案したもので、視覚障害者が「今、助けてほしい」と思った時に、白杖を掲げることで周囲に助けを求めるというもの。実は40年ほど前から存在していましたが、残念ながら今のところ世間一般ではあまり知られていない、というのが実情でした。 白杖SOSシグナル(佐伯区視覚障害者の集い「白い三輪車の会」サイトより) 一方、この「白杖SOSシグナル」については以前か
障害者の差別解消に向けて関係機関が調整する自治体の「地域協議会」の設置が進んでいない。内閣府の調査では、昨年10月までに設置したのは全市区町村の3割にとどまる。昨年4月に施行された障害者差別解消法で設置できるようになったが、自治体の規模によっては負担が大きいようだ。 地域協議会は障害者団体や事業者、教育、医療、法曹関係者らで構成。都道府県や市町村に設置して、障害者差別に関する相談をたらい回しにしない態勢作りに取り組む。差別解消に対応できる関係機関が集まっているため、差別事案が発生した際の再発防止策が検討できる。 昨年10月時点の調査では、47都道府県のうち37都道府県が地域協議会を設置していたが、市区町村レベルでは507自治体と29・1%だった。今後も設置未定としたのは、半数近い722自治体あった。 内閣府によると、設置していない自治体からは「(自治体の)規模が小さいため現体制で対応できて
難病の脊髄性筋萎縮症を患う重度障害者の海老原宏美さん(39)=東京都東大和市=が、小池百合子都知事に手紙を書いた。人工呼吸器で命をつなぎ、地域の障害者の自立を支える活動が評価され、本年度の都女性活躍推進大賞を受賞。一月の贈呈式で、知事宛ての手紙を秘書に託した。 「生産性のある人間、人々に感動を与えられる人間だけではなく、ただ、そこに静かに存在するだけの人間にも尊厳を見出し、全ての都民が社会参加できる都政を執行してほしい」とつづった。 重度障害者の「活躍」って何だろう? 本紙二十二日朝刊「私説論説室から」で、大西隆論説委員が海老原さんの思いを紹介した。小池知事から二十四日午後にメールがあり、「思いはしっかりと届いています」などと返事があったという。同日の定例会見で、本紙の記者が質問すると、知事は海老原さんの提起なども予算案に生かしたと答え、「大変な才能を発揮している。一つの希望であり、いいモ
赤地に白のプラスとハートマークのヘルプマーク 内臓に機能障害がある人や聴覚障害者、知的障害者など外見では障害者かどうか分からない人のサポートを受けやすくする「ヘルプマーク」を、大阪府が4月の新年度から導入する。カバンなどにつけられるストラップの配布や、認知度向上のためのポスター掲示などの啓発活動を行う予定。ヘルプマークは東京都が都営地下鉄などで標示や配布を実施するなど自治体で導入が広がっており、今後の認知拡大に向けて民間企業への普及も期待されている。(辻 陽一郎) ヘルプマークのデザインは赤地に白のプラスとハートマークだ。赤が支援を必要としていることを示し、ハートとプラスには相手にヘルプする気持ちをもってもらうという意味がある。東京都が2012年、外見からは分からない障害を持つ人が配慮を受けやすくなるようにと作成した。 内部障害の人は優先席に座っていて居心地の悪い思いをすることがあったが、
発達障害などのある子どもらが通常学級に在籍しながら、授業の一部を別室で学ぶ「通級指導」。2015年度に県内で通級指導を受けた子どもは703人となり、05年度の1・8倍に増えている。一方、市町村によって取り組みに差があるなど課題も浮上している。 「いまはむかし、たけとりのおきなというものありけり」。青森市立浦町中に昨年度できた通級指導教室。他中に在籍する1年の男子生徒(13)がモニターに映し出される古文の教科書を見ながら、読み上げソフトの音声に合わせて「竹取物語」を音読していた。つかえるたびに、傍らで土崎(とざき)純子教諭(43)が画面の背景色やスピードを調節し、何度も挑戦する。 男子生徒は小学生のころ、カタカナや漢字の読み書きが極端に苦手だった。一文を読み通すことができず、いらだって教室を歩き回り先生に怒られた。「文字がわけわかんなくて、とにかく疲れた」 2年前、弟とともに、注意欠陥…
■「互いに支え合う社会を」 1月の戸田市議選で初当選した、聴覚障害を持つ佐藤太信(たかのぶ)さん(36)が6日、市議会2月臨時会のため初登庁した。全日本ろうあ連盟によると、聴覚障害を持つ地方議員は全国4例目で、県内では初めて。選挙戦で「心の声が聴こえる街へ」を標語に掲げた佐藤さんは、「戸田市からのバリアフリー社会」実現に向けて一歩を踏み出した。(菅野真沙美) ◇ 「今まで体験したことのない雰囲気なので、とても緊張しました」。同日午後、佐藤さんは慌ただしい打ち合わせの合間を縫って取材に応じてくれた。 同市出身で2歳のときの高熱が原因で失聴したが、補聴器と訓練で読唇術や発声を身に着けた。県立浦和商業高校を卒業し、平成11年に東京電力に就職した。 健常者とともに生活してきたが、「友人とは耳が聞こえないことでけんかになったり、職場でも不安のある業務があったりと、決して順風満帆ではなかった」と振り返
東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、障害のある人への理解を深めてもらおうと、車いすの人などがモデルとなったファッションショーが千葉市で開かれました。 はじめに、車いすの人など女性6人が色とりどりの衣装をまとってモデルとして登場し、ステージをゆっくりと進みながら笑顔で手を振っていました。訪れた人たちは写真を撮ったり、歓声を上げたりして楽しんでいました。 ショーにはパラリンピック種目、ボッチャで活躍している大濱梨沙選手や、東京大会から正式種目となる車いすバドミントンの村山浩選手などもモデルとして参加し、会場を盛り上げていました。 船橋市から訪れた40代の男性は「皆さんきらきら輝いていて、すばらしかったです」と話していました。 モデルの女性の1人は「緊張しましたが、とても気持ちがよかったです。障害者だからといって壁を作らないで、みんなで幸せに過ごせる社会になってほしいと思います」と話
東京都の「アール・ブリュット美術展」で展示された作品。(上)はたくさんの人の顔などが、(下)は鉄道の先頭車両が精緻に描き込まれている=いずれも東京都提供 東京都は三日、専門教育を受けていない障害者らによる美術表現「アール・ブリュット」に特化した展示拠点を今秋に設けると発表した。都のギャラリー「トーキョーワンダーサイト(TWS)渋谷」(渋谷区神南一)を再整備して活用する。都によると、アール・ブリュットを専門とする公立の常設拠点は全国的にも珍しく、都内では初めて。 (唐沢裕亮) 二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックに向け、都が進める「ダイバーシティ(多様性のある)社会」の実現を芸術・文化の側面から後押しするとともに、現代美術の裾野を広げていくのが狙い。今秋、暫定的に開館した後、展示スペースの改修を経て一九年度に本格オープンする。
清水建設と日本IBM、三井不動産は26日、スマートフォンを利用した音声ナビゲーション(道案内)の実証実験を、東京・日本橋の商業施設「コレド室町」と周辺地下道で2月8日から行うと発表した。健常者と視覚障害者、車いす利用者にそれぞれ適した経路を日本語と英語で案内する。 清水建設と日本IBMの技術を組み合わせ、施設の天井に5〜10メートル間隔でビーコン(無線標識)224個を設置。専用アプリを入れたスマホで位置を認識し、案内する仕組み。行きたい場所をスマホに伝えると、経路を音声で案内する。 健常者の場合は最短経路を、車いすの利用者には段差が少ない経路を選び、視覚障害者には目的地までの距離などをきめ細かく案内し、利用者に応じた対応ができるという。2020年の東京五輪・パラリンピックを視野に、普及を目指す。
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