■ 歴史部会 発表要旨 (2008年5月30日) 雑誌『経済往来』『日本評論』の編集者たち ――誌面変容との連関を視軸に 本発表では,戦時期の総合雑誌『日本評論』の前身である雑誌『経済往来』に関する総合的な整理・分析を行なった。当該雑誌の特徴のひとつとして,編集方針のたえざるゆらぎが挙げられ,そのゆらぎの背景は,流動的な読者のニーズやジャーナリズムの動向に適応させた企画立案を積極的に行なったという点において説明することが可能である。と同時に,編集実務を担ったスタッフの目まぐるしい交代という事態においても説明することができる。今回の発表では,誌面構成の変容過程を時系列にそって整理することで前者の意味を考察しながら,あわせてその時どきの編集スタッフの氏名とその役割を「編輯後記」欄から可能なかぎり洗い出すという作業を行なうことで後者の追跡にもつとめた。 1926年3月の創刊時における