「LGBTQ」という性的マイノリティの人々を総称する略語が日本でも浸透しつつある。だが、その文字数が増えていることを知る人はぐっと少なくなるだろう。 そのどんどん長くなる略語は、本来の目的を果たしているのだろうか。こうしたテーマを当事者として長年追ってきたジャーナリストが、その理由と代案を提示する。 フランク・カメニーは20世紀の偉大なゲイライツ活動家だ。同性愛者差別に対して初めて、アメリカの最高裁判所に異議を申し立てた人物だ。ゲイの権利擁護を訴える初期のデモも率いた。ゲイであることを公にした初めての連邦議員候補でもあった。 精神医学の重鎮が同性愛を精神病と決めつけることに反対し、抗議の先鋒にもなった。また、「ソドミー法」(注:同性間の性交渉を犯罪とする法律)にも異議を唱え、粘り強く闘った。カメニーが成し遂げたことはもっとある。 だが、私自身の記憶する限り、また私が話を聞いたカメニーの仲間