どれほど熱心にバンド活動に取り組んだとしても、そして仮に秀でた才に恵まれたとしても、音楽で飯が食えるようになる確率はとほうもなく低い。ならば、費やしてきたその時間と熱意はすべてムダだったのだろうか。何者にもなれないのだから何もしない方がよかったのか? そんなことはない。アーティストとしてデビューせずとも、たとえば彼女とのドライブでかけるための最強クリスマスヒットメドレーを自作するとき、たとえばYouTubeでベースの弾き方のコツを教えるための動画を撮るとき、たとえば子守唄で子供を寝つかせるとき、その声の響きや指使いにはかつての熱が鼓吹されている。 在野研究とは、要するに、子守唄が超絶に上手いサラリーマンの学問版のことだ。 唯一の正解などない もう少し丁寧に説明しよう。在野研究者とは、ごく簡単に言えば、大学に所属をもたない研究者のことを指す。最近、私が編者となって出版した『在野研究ビギナーズ
![「在野研究」はいまなぜブームなのか? 大学の外から学問する面白さ(荒木 優太) @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a21935c2572f36a0f8d14b073219862b8a583a4b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F8%2F4%2F1200m%2Fimg_8436a1021faaf6c6d7ea0cd4d278ed3d64540.jpg)