どのような半径の円もすべて相似で、「円周の長さ÷直径の長さ」はすべて同じ数値になります。この数値が円周率で、πと呼ばれます。円の面積の計算にもこの定数が登場しますが、分数でも平方根のような根号でも書き表せない、超越数と呼ばれる種類の無理数です。この数は 3.1415926535... と無限に続く小数で、今ではコンピュータを使って小数点以下5兆桁まで計算されています。 πの数値については古代各文明で異なるものが使われていました。半径1の円に内接する正六角形の周の長さは6ですので、円周率は3より大きい値であることが分かります。古代エジプトでは正八角形と円を重ねてみることで (約3.16) という近似値を得ていますし、古代バビロニアでは を用いていました。アルキメデスは「円の計測」という著作で という結論を得ました。どういう議論の結果この結論を得たかについては腕試し問題Q14をご覧ください。古