和歌山県太地町で伝統的に行われているイルカ漁を隠し撮りし、批判的な視点で描いた米映画「ザ・コーブ(入り江)」の上映会を計画していた立教大学(東京都豊島区)が、太地町側から抗議を受けて上映を中止していたことが2日、分かった。同作品は米アカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門にノミネートされているが、国内では「地域の伝統的食文化に対する一方的中傷」などと批判が集まっていた。 同作品は、米コロラド州に拠点を置く「海洋保護協会(OPS)」が制作。太地の入り江で、隠れてイルカ漁を撮影するなどしているが、イルカが銛で突かれ海が血に染まるなど残酷さを強調するようなシーンがあり、太地町と漁協側では「長年続いていた伝統文化と食文化だ」と強く反発している。 反捕鯨団体などが強い米国などでは評価され、日本国内でも昨年10月に東京国際映画祭で上映されたが、これまで一般の映画館では上映されていない。立教大では6日に上