はじめに 被ばく線量限度は、放射線従事者では年間50mSvに、一般大衆は1mSVにきめられている。これはICRP勧告に従った法的規制である。 なぜ、一般大衆と放射線従事者では線量限度が50倍もちがうのか? ICRP勧告の基本的原理 放射線事故が起こった場合、一般大衆は多数の人が被ばくする可能性が高いので、各人の披ばく量Dは小さくても、被ばく人数Nが大きければ、一般人全体のリスクNDは大きくなる。他方放射線従事者の数Nは限定されているから被ばく量Dが少し多くても、放射線従事者全体のリスクNDはそれほど大きくならない。 JCO事故後の一般大衆の実際の被ばく量 実際に一般大衆の被ばくが起こったJCO事故に、ICRP勧告の基本原理を適用してみると、どうなるか?被ばく限度量1mSVを越しだのは、一般住民では100人の桁で、放射線従事者では10人の桁である。最高被ばく量でも、事故現場の3人