6月に中国全土で行われた大学の共通試験「高考(ガオカオ)」の受験者は912万人で、昨年から3万人減って5年連続の減少となった。 大学進学を志望する若者が減っている背景には、大卒資格に対する絶望感がある。中国ではここ数年、大卒者でありながらまともな報酬が得られる仕事に恵まれず、都市部の狭いアパートに同居生活をする「蟻族(ありぞく)」が社会問題となっている。 大学進学率が25%程度と、日本の半分ほどの中国では、彼らは立派な高学歴ワーキングプアだ。 こんな出来事もあった。昨年10月、黒竜江省哈爾浜(ハルビン)市が、清掃担当者を募集したところ、457人の募集枠に1万1539人もの応募が殺到。しかも、実際に履歴書を提出した7186人のうち、4割以上が大卒者で、大学院修了者も29人含まれていた。 学歴があっても食えない現実を浮き彫りにしている。 広東省の日系工場で、求職者の面接を担当している日本の男性