ずさんな品質管理が相次いで発覚し、消費者の前から商品が姿を消した不二家。「ペコちゃん」で親しまれてきた国民的ブランドは一瞬にして失墜し、創業以来の危機に直面する。突然訪れたかに見える危機も、実は12年前のある日を境に問題が社内で静かに膨れ上がってきた結果にすぎない。 「異論はないな」 1995年1月23日――。不二家が定例の取締役会を開く月曜日だった。当時の社長は藤井俊一。創業者、藤井林右衛門の孫で5代目社長。今回の不祥事で退任した6代目社長の藤井林太郎の従兄弟に当たる。その日、東京の気温は10度を超え、春の陽気を思わせた。俊一は、いつものように出社し、いつものように取締役会をこなすつもりでいた。 俊一が異変に気づいたのは、取締役会が始まる直前のことだった。突然、別室に呼び出されたのだ。そこには4代目社長で当時会長だった藤井和郎のほかに、経営を退いていた2代目社長の藤井誠司と3代目社長の藤
ここ数年、沈黙を守っていた日本電産が、再び動き出した。昨年後半に相次いで2つのM&A(企業の合併・買収)の実施を発表した。 日本電産の成長の原動力の1つが、M&Aであることはもはや常識となっている。業績不振に陥った企業を次々に傘下に加え、永守重信社長が自ら先頭に立って再生を果たすことで規模を拡大してきた。 ところがこの2~3年、その成長モデルが壁に突き当たっていた。M&A案件を巡る投資ファンドとの競合や業績不振企業の減少を理由に、2003年の三協精機製作所(現日本電産サンキョー7757))以降、買収がぱたりと途絶えていたのだ。 その間でも、日本電産は子会社の収益力向上などで好業績を維持してきた。2006年9月中間期の連結業績では、売上高が前年同期比17%増の2998億円、営業利益が28%増の320億円と、いずれも過去最高を更新した。 それでも、2006年初めには1万円を超えていた株価が1年
職業としての「社長」を自ら選び、活躍している人をお招きし、将来、経営層を目指す人々に、ご自身の経験を語っていただくトークセッション「Road to CEO」。今回は総合スーパー、長崎屋を率いる上山健二氏をゲストに迎えた。同社は2000年2月に会社更生法の適用を申請、2002年6月に更生計画が認可され当初16年かけて更生する予定だったが、上山氏のリーダーシップのもとで2006年7月、12年前倒しで更生計画を終結した。 上山氏は、大学卒業後住友銀行に入社し、自らが融資を担当したベンチャー企業が急伸。オーナーのオファーに応える形で、そこの副社長として転職するが、オーナーによる横領事件という椿事に見舞われる。文字通り八面六臂の活躍で何とか倒産回避に成功し、その後長崎屋に転じた。いくつもの危機や逆境をくぐり抜けた、上山氏の生の言葉をお伝えする。司会は日経ビジネスオンライン副編集長の山中浩之と、インデ
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 2001年にADSL(非対称デジタル加入者線)サービス「ヤフー!BB」を引っさげて通信事業に参入したソフトバンク---。2006年3月にはボーダフォンから日本法人の買収を発表し、念願の携帯電話事業を手に入れた。10月にはボーダフォンをソフトバンクモバイルに社名変更し、併せて日本テレコムの社名もソフトバンクテレコムに変更。両社の社長には、グループの総帥である孫正義氏自身が就任した。 日本で第3の通信グループ「ソフトバンク」の誕生である。これを裏づけるかのように東京証券取引所のソフトバンクの所属業種が、2006年10月から「卸売業」から「情報・通信業」へと変更された。2006年のソフトバンクの動きは、当連載のベースとなった単行本『2010年、NT
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 昨年、本コラムで、「ソフトバンク、“パンク”の深層」という記事を書いた。テーマは番号ポータビリティー開始早々にソフトバンクモバイルが情報システム障害を起こした一件である。 「同様の問題はソフトバンク(9984)だけでなく、ほかの多くの企業にも内在している。情報システムの構築・運用の現場は限界的な状況にあり、それを理解してほしい」というのが趣旨だったが、「問題を起こしたソフトバンクを擁護するとは何事か!」というお叱りのコメントを多くの読者から頂戴した。 筆者の書き方に問題があったのかもしれない。しかし、情報システムは今や、企業内だけでなく、広く金融、流通、交通をはじめとする社会の基盤的インフラになっているのに、その現場は危機的な状況にあることは
von_yosukeyan (メールアドレス非表示) http://slashdot.jp/~von_yosukeyan/ 他人の不幸をメシの種とする狂信的市場原理主義過激派タレコミニスト すべての事象は神の見えざる手に委ねられている。抵抗は無駄だ von_yosukeyan[atmark]yahoo.co.jp 寄生ブックマーク集 [slashdot.jp] Yosukeyanのアンテナ [hatena.ne.jp] スラド辞典でも作ってみるか [slashdot.jp] 東京都の出資によって設立された、新銀行東京(SGT)の経営が岐路に立たされている。先に発表された中間決算でも、融資の伸び悩みから利息収入が伸びず、融資先の経営悪化による引当費用の増大から約150億の赤字決算となり、当初の経営計画の破綻ぶりが際立つようになった。 SGTという、行政による金融機関の創設という経緯
大日本印刷が東京・品川に新しく開設したDNP五反田ビル。地上25階、地下2階建て、総工費約165億円をかけて建設したビルの1階には、警備員に守られた扉の奥に1枚の名画が掲げられている。19世紀のフランスで活躍したロマン派の先駆者、テオドール・ジェリコーの「銃騎兵」(仏ルーブル美術館所蔵)だ。 この作品の展示は、大日本印刷とルーブル美術館の共同プロジェクト「ルーヴル-DNPミュージアムラボ」の一環。大日本印刷が標榜する印刷技術とIT(情報技術)を融合させた「P&Iソリューション」を象徴する取り組みだ。特徴は、個々の来場者に合わせて作品の関連情報を提供すること。絵画の近くに設けた装置に入館チケットをかざすと、大型ディスプレーや携帯端末で、来場者が希望する言語や、観覧時間、観覧方法に合わせた作品の説明などを視聴できる。チケットに「ICタグ」を組み込むことで、来館者は必要な情報を入手できるようにな
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く