藤原京と平城京を結んだ古代の道・中ツ道に沿って、日本固有の 柑橘 ( かんきつ ) 類「大和 橘 ( たちばな ) 」を植え、採れた果実を利用して奈良ブランドの商品開発を進める「なら橘プロジェクト」が本格化してきた。 先月には初めてつけた実を収穫し、商品の販売を目指す。関係者は「奈良ゆかりの橘を日本全国、世界へと発信したい」と夢を膨らませている。 大和橘は約2000年前、垂仁天皇の命で臣下の 田道間守 ( たじまもり ) が「常世の国」から持ち帰ったとされ、実は「日本の菓子の元祖」と言われる。 古くから奈良にゆかりがある橘で地域活性化を図ろうと、地元金融機関に勤めていた城健治さん(68)と大和郡山市の老舗和菓子店「本家菊屋」の菊岡洋之社長(49)が、2012年に「なら橘プロジェクト推進協議会」を設立した。 大和橘はほとんど自生していない。そこで城さんらは、県農業研究開発センターの指導を受け