次代を担う優秀なIT人材やものづくり人材をどう育成するか──。国や企業、そしてエンジニア個人のキャリアにとっても重要となるこのテーマに対し、「産業の現場と密接に結びついた教育」を提供する場として、注目を集めているのが産業技術大学院大学だ。公立大学法人首都大学東京によって2006年4月に設立された同校は、「情報アーキテクチャ専攻」と「創造技術専攻」という2つの専門領域で構成され、それぞれの専攻ごとに、幅広い視野を持って情報システムを上流工程から設計できる「情報アーキテクト」と、あたかもiPodのような、製造プロセスとインダストリアル・デザインの両面から設計できる「ものづくりアーキテクト」を育成する、公立の大学院大学だ。 情報システムが複雑化の一途をたどり、システム開発構築の現場で中国やインドの人材が活躍をし始めた今日の状況にあって、国内のエンジニアには、高度な専門技術と幅広い業務知識を備えた