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アンリ・ベルクソン 哲学者の検索結果1 - 16 件 / 16件

  • 物理学者と哲学者は「時間」を語ってどうすれ違うのか…『〈現在〉という謎』を読んで - 重ね描き日記(rmaruy_blogあらため)

    〈現在〉という謎: 時間の空間化批判 作者: 森田邦久 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2019/09/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 物理学者と哲学者によるシンポジウムをもとに企画された論考集。各章では時間論、とくに「現在」の概念を巡る論考を物理学者と哲学者(+仏教学者1名)が書き、それに対するコメントとリプライが掲載されている。 全8章からなり、どの論考も面白い。だが、理論物理学者の谷村省吾先生(以降、谷村氏)の論文とそれへの佐金武氏のコメント、青山拓央氏・森田邦久氏(いずれも分析哲学者)の章に対する谷村氏のコメントからなる応酬が際立っている。 谷村氏はしょっぱなから、 そもそも現在は謎なのか?とさえ思う。(谷村論文、p.1) と、本書の問いそのものの意義に疑問をつきつける。「率直にいって、形而上学者たちとの対話は難儀であった。私の話はわかってもらえないよ

      物理学者と哲学者は「時間」を語ってどうすれ違うのか…『〈現在〉という謎』を読んで - 重ね描き日記(rmaruy_blogあらため)
    • 「ジョーカー」の4つ目の笑いを見逃すな

      「ジョーカー」は観る人によって感想が異なる不思議な映画だ。 主人公アーサー・フレックに自分を投影し、作品の危険性に言及する人もいれば、社会の分断を描いた現代への警鐘だという人もいる。音楽や構成の美しさを語る人もいれば、過去のオマージュ作品との巧妙な結びつきを称賛する人もいる。 多種多様な感想が巷に溢れ、ツイッターやWEBのレビューは混沌としている。この状況は、今回の映画「ジョーカー」の舞台ゴッサムシティのようである。 出典:IMDb 本作は、アメコミ界でカリスマ的な人気のヴィラン(悪役)、ジョーカーの生誕を描いた作品だ。バットマンシリーズの「ダークナイト」でヒース・レジャーが演じた、サイコパスで無敵感あふれるジョーカーとは異なり、重々しいヒューマンドラマとして描かれている。 出典:IMDb 「ジョーカー」は、主人公アーサー・フレックの笑い方が印象的だ。コメディ作品の「ハングオーバー」シリー

        「ジョーカー」の4つ目の笑いを見逃すな
      • ちくま学芸文庫刊行書目一覧 最新版|かるめら

        2024年2月29日時点での既刊のちくま学芸文庫全2,036点(セット版を除く)をあげた。 文庫の整理番号順に従って表記(一部変更あり)した。 「♾️」マークはMath&Scienceシリーズ(青背)を示す。 人名表記の揺れ(例「シモーヌ・ヴェイユ」と「シモーヌ・ヴェーユ」)は訳者に従い、統一はせずそのままにした。 編者、訳者は一部を除き割愛し、編著者が3人以上に及ぶ場合は代表者1人の名前のみ記した。 Math&Scienceシリーズのみの刊行書目一覧はこちら。 浅田彰『ヘルメスの音楽』 赤坂憲雄『異人論序説』 赤坂憲雄『王と天皇』 赤坂憲雄『排除の現象学』 赤坂憲雄『遠野/物語考』 赤坂憲雄『象徴天皇という物語』 赤坂憲雄『柳田国男を読む』 天沢退二郎『宮沢賢治の彼方へ』 飛鳥井雅道『明治大帝』 E・アウエルバッハ『ミメーシス[上] ヨーロッパ文学における現実描写』 E・アウエルバッハ『

          ちくま学芸文庫刊行書目一覧 最新版|かるめら
        • 読書メモ:世界は時間でできている(平井靖史 著) - 重ね描き日記(rmaruy_blogあらため)

          世界は時間でできている──ベルクソン時間哲学入門 作者:平井 靖史 青土社 Amazon 本書は、19~20世紀に活躍したフランスの哲学者アンリ・ベルクソンの時間哲学の全貌を、長年ベルクソン哲学の勢力的な研究を続け、日本だけでなく世界的な研究コミュニティづくりやムーブメントの中心で活躍してきた著者が、現代的な問題設定に沿った発展的展望をも含め、独自の見取り図とともにまとめた入門書である。 ベルクソンが扱ったテーマは広い。主著が多数あって、たとえるならば「単独峰」ではなく「連山」をなしているイメージだろうか。著者はこれまで、その一つ一つを丹念に踏破しながら、共著書や学術誌にて多くの論考を発表してきた。そして、初めての単著となる本書『世界は時間でできている』にて、いよいよそれらパーツを組み合わせ、ベルクソン山脈の全景を描いてみせる。 本書は、いろいろな読まれ方をすると思うが、大きくは、 ベルク

            読書メモ:世界は時間でできている(平井靖史 著) - 重ね描き日記(rmaruy_blogあらため)
          • ユーモアのダークサイド(読書メモ:『笑いと嘲り』) - 道徳的動物日記

            笑いと嘲り―ユーモアのダークサイド 作者:マイケル ビリッグ 新曜社 Amazon 先日に江原由美子の「からかいの政治学」を読んだ流れで、前々から図書館で見かけてタイトルだけは知っていたこの本も中古で購入して読了*1。 著者のマイケル・ビリッグは心理学者であると同時に左翼であり、本書で展開されるのも「批判心理学」である。訳者あとがきによると批判心理学とは「現在の主流の心理学に対する批判的な諸勢力の総称」であり、量的研究や実験室研究より質的研究とフィールドワークを重視する派閥であるようだ。それだけでなく、本書のなかでもハーバート・マルクーゼが何度も登場するように、フランクフルト学派の「批判理論」に影響された、(左翼的な)政治的問題意識をもって既存の心理学の「中立性」を擬似的なものだとして弾劾したり修正したりするといったことを目的にした学問であるように思える。 そして、著者が本書でとくに問題視

              ユーモアのダークサイド(読書メモ:『笑いと嘲り』) - 道徳的動物日記
            • 平井靖史, 三好賢聖「ベルクソンで考える動きのデザイン」 | ÉKRITS / エクリ

              運動共感の撓(たわ)み 三好: ぼくはデザインにおける運動共感を研究してきたのですが、平井さんの『世界は時間でできている※1』のなかにも運動共感について書かれていると感じる部分がありました。実際にぼくが展開したような動きとデザインの話が、平井さんの理論の中でどういう位置づけになるのか、とても興味があります。またその話を踏まえて、自分のこれまでの研究が、デザイン哲学や方法論として、今後どのように展開し得るかというのは、楽しみなところです。 ぼくは最初、フランスの美学者であるフランク・ポッパーの『Origins and Development of Kinetic Art※2』を読んで、ベルクソンを知りました。これはぼくがキネティックアートを勉強した本で、文献の輪を広げるきっかけにもなったものです。たとえばこの本をハブにして辿り着いたポール・スリオは、おそらく動きの描写的な美学を探求した最初の

                平井靖史, 三好賢聖「ベルクソンで考える動きのデザイン」 | ÉKRITS / エクリ
              • アフリカ哲学への招待──「他者の哲学」から「関係の思想」へ(後篇)|中村隆之

                「関係の思想」としてのアフリカ哲学(1990年代―現在) 1960年代に「他者の哲学」として見出されたアフリカ哲学が、1970年代以降、より若い世代の哲学者によって問い直されはじめ、ヨーロッパから見たアフリカのイメージにとらわれない、新しいアフリカ哲学のかたちが模索されていった。──このような発展段階的なストーリーでお話しできるのは、前篇で紹介した、1980年代のムディンベまでです。 というのも、1990年代以降の「アフリカ哲学」をめぐる言説の動向は、非常に複雑化・多様化していくからです[★1]。私はそんなアフリカ哲学の動向を、〈関係〉という視点で捉えるのがよいと思っています。 〈関係〉とは、アフリカ大陸から多くの奴隷たちが連れて行かれた場所であるカリブ海の詩人で思想家のエドゥアール・グリッサン(1928-2011)が練り上げた概念です。簡単に言うと、私たち一人ひとりが、世界中の人々(さら

                  アフリカ哲学への招待──「他者の哲学」から「関係の思想」へ(後篇)|中村隆之
                • インタビュー:21世紀のサイバネティクス——ユク・ホイ『再帰性と偶然性』をめぐって - Research Network for Philosophy and Technology

                  インタビュー:21世紀のためのサイバネティクス——ユク・ホイ『再帰性と偶然性』をめぐって 出典:E-flux Journal #102(2019年9月) URL = https://www.e-flux.com/journal/102/282271/cybernetics-for-the-twenty-first-century-an-interview-with-philosopher-yuk-hui/ 訳:伊勢康平 新著『再帰性と偶然性』(2019年)のなかで、香港の哲学者ユク・ホイは、再帰性とは単なる機械的反復ではないと主張している。かれは「規範からの不規則な逸脱」に関心をもち、新生気論者〔neovitalist〕とでも言うべき立場を築いている。これは、ロボットには生命がある(あるいはやがて生命をもつだろう)というような、昨今の大衆文化のなかで有力な見方を乗り越えるものだ。「器官学」

                    インタビュー:21世紀のサイバネティクス——ユク・ホイ『再帰性と偶然性』をめぐって - Research Network for Philosophy and Technology
                  • 【特別掲載】百年の危機|ユク・ホイ  訳=伊勢康平

                    コロナウイルスの流行をめぐって、各国の哲学者たちが声明や文章を発表しています。『ゲンロン』で「芸術と宇宙技芸」を連載し、昨夏にゲンロンカフェにも登壇したユク・ホイは、ヨーロッパでの感染と感染対策が広まる4月に"One Hundred Years of Crisis"と題する論考を発表しました。1919年にポール・ヴァレリーが発表した「精神の危機」から100年後に起きた今回のコロナ危機は、世界史にとってどのような意味を持つのでしょうか。そして西洋的な科学一元論に陥らず、単なるオルタナティブとして東洋を見出すのでもない方法で、このグローバルな危機を乗り越えるためには、どのような思想が必要なのでしょうか。つねに東洋と西洋のあいだで思考してきたユク・ホイによるこの論考を、ゲンロンαで急遽、全文訳出することにしました。東浩紀による「コロナ・イデオロギーのなかのゲンロン」ともあわせてお読みください。ま

                    • ノーベル賞受賞の哲学者ベルクソンは、60年後にどのように「復活」したのか(杉山 直樹) @gendai_biz

                      「生の哲学」を提唱しノーベル文学賞を受賞した、20世紀フランスを代表する哲学者アンリ・ベルクソン。伝統的な哲学をひっくり返した彼の思想は、長きにわたって本国フランスでも否定的に扱われてきた。そんなベルクソンを日本で“復権させた”ともいえるのが、檜垣立哉氏の著作『ベルクソンの哲学』だ。 ここでは、本書の文庫化に当たって、杉山直樹氏(ベルクソンの主著『物質と記憶』の訳者)の解説を、一部編集のうえで紹介する。 檜垣氏の最初の著作となる本書は、2000年の刊行となる。もうそんなに前になるのか、と驚きつつ、当時感じた一種のショックも思い出す。たまたま私は檜垣氏とは同い年なのだが、同じようにベルクソンを読み、そしてまた、氏が読んでいたのと重なる多くの哲学書をめくりながら、自分の研究をもたもたと続けていた。 そこに、本書の登場である。「書かれてしまった」と思った。「あれこれについてはもう私が書かなくても

                        ノーベル賞受賞の哲学者ベルクソンは、60年後にどのように「復活」したのか(杉山 直樹) @gendai_biz
                      • 読書メモ:The Physicist & the Philosopher (by Jimena Canales)…アインシュタインとベルクソンは時間をめぐって何を争ったのか - 重ね描き日記(rmaruy_blogあらため)

                        The Physicist & the Philosopher: Einstein, Bergson, and the Debate That Changed Our Understanding of Time 作者:Jimena Canales 出版社/メーカー: Princeton Univ Pr 発売日: 2015/05/26 メディア: ハードカバー 科学史家ヒメナ・カナレス(Jimena Canales) による2015年の著作The Physicist & the Philosopherを取り上げます。20世紀前半にアルバート・アインシュタインとアンリ・ベルクソンが戦わせた論争について、その背景や余波を幅広い視点からまとめた一冊。その論争のテーマとは、「時間」です。 繰り返される論争への、科学史からのアプローチ ブログ筆者が腰を据えて本書を読んでみようと思ったきっかけは、今年刊

                          読書メモ:The Physicist & the Philosopher (by Jimena Canales)…アインシュタインとベルクソンは時間をめぐって何を争ったのか - 重ね描き日記(rmaruy_blogあらため)
                        • 物質と記憶/アンリ・ベルクソン|棚橋弘季 Hiroki Tanahashi

                          「知覚を事物の中に置く」。 ベルクソンの、この常識的な感覚とは異なる知覚というものの捉え方が、より常識はずれながら、哲学がなかなかそこから抜け出せない精神と物の二元論の罠から逃れるきっかけとなる。 知覚を通常考えられているように人間の内面の側に置くのではなく、身体が運動の対象としようとする物の側に置く転倒は、ベルクソンの『物質と記憶』の数ある「目から鱗」な考えの1つだ。 そう1つ。この本には他にもたくさんの「目から鱗」な事柄がたくさんある。 そして、そのどれもが納得感のあるもので、僕はこの本で一気にベルクソンのことが好きになった。 『有限性の後で』より前に昔から、どうしても腑に落ちなかった。哲学が、物質と精神を執拗に分け隔ててしまうことが、だ。 ひどいもの(メイヤスーが「強い相関主義」と呼ぶもの)になると、カントの物自体への接近不可能性を超えて、認識できない存在(物自体)を考えること自体、

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                          • メトロポリタン美術館が毎年開催するファッション展とMETガラ概要 - ブロケツ

                            メトロポリタン美術館所持の衣装研究所 過去のテーマ 2019年度の写真を紹介 オープニングイベント、METガラとは 今年は150周年。テーマは「時間」 本日のケツ論。 メトロポリタン美術館所持の衣装研究所 先日のNY旅行記でも少し紹介したけど、メトロポリタン美術館(通称MET)が衣装研究所を所持しているのは知ってますか? 館内では歴史ある衣装類の展示品を細やかに調整・修復しなければいけないから、相当レベルの高いものだと思う。 で、その衣装研究所(アナ ウィンター コスチューム センター)は毎年、特別ファッション展覧会を主催しています。 METの館内に特別スペースを設けて、5-9月頃の約5ヶ月間、期間限定で毎年テーマ別の展示が行われます。 過去のテーマ 過去10年分のテーマを挙げてみるね。 2010年:「American Woman: Fashioning a National Identi

                              メトロポリタン美術館が毎年開催するファッション展とMETガラ概要 - ブロケツ
                            • 『時間観念の歴史』(書肆心水)

                              時間観念の歴史――コレージュ・ド・フランス講義 1902-1903年度 アンリ・ベルクソン[著] 伝説の名講義シリーズ、ついに公刊! 第一編 ベルクソン自身によるベルクソン哲学解説。哲学のアポリアは「時間」を適切に扱うことによって解決されると考えるベルクソンが、古代以来の哲学史に自己の哲学を位置づける。 ここのリンク先で本書のなかをご覧いただけます(PDFファイル) 著者 アンリ・ベルクソン 訳者 藤田尚志・平井靖史・岡嶋隆佑・木山裕登 書名 時間観念の歴史――コレージュ・ド・フランス講義 1902-1903年度 原書 Henri Bergson, Histoire de l'idée de temps. Cours au Collège de France 1902-1903, PUF, 2016. 体裁・価格 A5判並製 448p 定価4950円(本体4500円+税10%)※2023年

                              • 水やりは面倒くさい。それでも人はずっと「庭」をつくってきた:美学者/庭師・山内朋樹 | DIG THE TEA

                                洋の東西を問わず、古来より人類の歴史に存在してきた「庭」。 いまだに多くの人々にとって、身近な存在でありつづけている。熟練した庭師によってつくられた庭園のみならず、自宅の庭や学校の校庭なども含めると、誰しも何かしらのかたちで「庭」とかかわってきたはずだ。 しかし、この「庭」というものは、考えてみると不思議な存在だ。 一見すると、いわゆる衣食住の範疇の外にあり、生存に不可欠ではないように思える。都市部でなければ、暮らしの中に「自然」も当たり前に存在してきたはずだ。 それにもかかわらず、なぜ私たちは、コントロールされた自然たる「庭」をつくるのか。 『DIG THE TEA』の探求する「時を溶かす体験」への示唆を与えてくれるように思えるこの問いについて、話を聞いたのは美学者・山内朋樹さん。 山内さんは、学生時代からの庭師としての経験、作庭現場のフィールドワークから得た知見をベースに、庭のかたちの

                                  水やりは面倒くさい。それでも人はずっと「庭」をつくってきた:美学者/庭師・山内朋樹 | DIG THE TEA
                                • ウミネコ・ダンス、カモーン。と、なって - 地底たる謎の研究室

                                  題名:ウミネコ・ダンス、カモーン。と、なって 報告者:ダレナン 本記事は、この記事の続きです。 本当はもうすでに消えているのかもしれない。どのような時間を過ごそうとも、その時間はいつも一定に流れて、いつしか記憶をも洗い流す。タンスの奥にしまった記憶は、しまったことすらも記憶として流され、後で見返しても、タンスも消されている。今、消されたタンスの奥に何をしまったのかも思い出せない。確か、整理していたはずだが、その整理がつかないまま、整理していたことも忘れ、タンスは置き去りになる。はるかかなたの次元に追いやられたタンスは、宇宙を彷徨う。 現代神経生物学では、記憶はおもに脳細胞間の連結部シナプスに生じた物理化学的変化の集積として、脳の中に貯蔵されるとするも、哲学者のアンリ・ベルクソンによれば、記憶は脳の中に貯蔵されず、脳は記憶の媒介であって貯蔵庫ではないとする。脳=物質は表象を貯蔵できず、そもそ

                                    ウミネコ・ダンス、カモーン。と、なって - 地底たる謎の研究室
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