福岡市総合図書館のがん情報コーナーで「健康な人にも手に取ってもらいたい」と話す大山薫さん=福岡市早良区で、山崎あずさ撮影 日本人の2人に1人が罹患(りかん)し「国民病」と言われるがん。患者になって情報に翻弄(ほんろう)される人も多い中、身近な図書館からの情報発信が広がっている。国立がん研究センター(東京)がまとめた病気や治療法について解説する冊子セットを備える図書館は全国200館近くに達し、独自にコーナーを設ける図書館も増えている。ネット上のような玉石混交でなく、信頼できる情報の拠点となっている。 国立がん研究センターは2017年7月、「がん情報ギフト」というプロジェクトを始めた。有志の寄付を基に、50種程度の閲覧用冊子と、胃がんや乳がんなどを分かりやすく解説した7種の冊子各50部のセットを図書館に寄贈する。寄付は1口1000円から受け付け、1館分(3万円)集まるごとにセットを寄贈する。