ぼくは1964年12月生まれなので、1967年10月から翌68年9月という「ウルトラセブン」の本放送時には2~3歳。ちょうど同じ頃に放送されていた「黄金バット」や「パーマン」のほうが好きだったようだ。 だから、セブンが記憶に残っているのは、おそらく小学生になってから見た再放送によってではないかと思われる。 いちばん強烈だったのは、ご多分に漏れず、第39話・40話「セブン暗殺計画(前篇・後編)」(注:「篇/編」の字は放送時のママ)。自称「いかなる戦いにも負けたことのない無敵のガッツ星人」という触れ込みどおり、分身の術でセブンを翻弄してエネルギー切れに追い込み、あろうことか空中に浮かぶ十字架に磔(はりつけ)にして、全国の子どもたちを絶望の底にたたき込んだ鳩頭の宇宙人、「ガッツ星人」の回だ。 夕日に照らされた山上の磔刑図──。あれほど恐ろしく、衝撃的で、しかも美しい映像を、いまにいたるまでぼくは