どれほどの沈黙が〈金〉なのだろう。騒がしい街に住む私は、車のクラクションも近所の子供の泣き声も聞こえぬまま、いつの間にか眠りに落ちるなんて全く想像できない。小さな町や郊外で暮らしていれば、騒音など聞こえぬまま眠りに落ちるのだろうが、私には無理だ。救急車のサイレンも聞こえないところで眠っているとしたら、死んでるのか、生きているのかもわからないのではないか。 静けさに興味があるのは私だけではない。雑音を除去する実験から生まれた、可能な限り音を遮蔽する空間がある。ミネソタ州にあるオーフィールド 研究所(Orfield Laboratory)の無響室は、〈地球上最も静かな場所〉として、ギネス世界記録を保持している。たいていは、企業が製品の音響テストで利用するが、監視の下であれば、一般の人も無音状態を体験できる。ファウンダーのスティーブ・オーフィールド(Steve Orfield)によれば、体験者が
![99.9%無響空間で人体実験](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ebbbedee8518840a4cab4960fa9935c887ffe70e/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fvideo-images.vice.com%2Farticles%2F59c8f338c13b90413667aebd%2Flede%2F1506356903729-sound-cover.jpeg%3Fimage-resize-opts%3DY3JvcD0wLjk5ODYxMzAzNzQ0Nzk4ODl4dzoxeGg7Y2VudGVyLGNlbnRlciZyZXNpemU9MTIwMDoqJnJlc2l6ZT0xMjAwOio)