だいたい,左欄は「激」を使う語,中欄は「激」「劇」いずれをも使う語,右欄は「劇」を使う語である。こうして見ると,「激」のほうが「劇」よりは機能が大きいといえるであろう。また,意味のうえからいっても,今日,「劇」に「はげしい」という意味があることは一般に知らなくなっているから,「劇職」「劇務」なども「激」を使うようになっていくであろうが,「劇薬」は今日のところ「劇」を使うのはやむをえないであろう。 「状態」と「情態」――漢字は一字一字意味をもっているものであるから,漢字のもつ意味を厳密に生かそうとすれば,漢字表記のゆれの多くは,同音類義ないし同音異義の語であるとして,使い分ける必要がある。しかしながら,こういう場合,漢字の意味のわずかな相違にあまりにこだわることは,社会一般としては限度があるであろう。「状態」「情態」なども,厳密に言えば,「状態」は「ようす・ありさま」の意味であり,「情態」の