宇宙に存在して質量は持つが光学的に直接観測できない物質がダークマター(暗黒物質)であり、それを検出する装置の一部が液体キセノン検出器である。ここでは、検出器の構造とその原理、キセノンを使う理由について解説する。 装置の構造 検出器の構造は下の図のようになっていて、中心に液体キセノン(約マイナス100℃)が入れらていて、その外側に光電子増倍管が配置されている。その検出器の外側は水で満たされている。 ダークマターがキセノン原子核と弾性散乱する際にエネルギーの一部を落とすか、キセノンの電子と衝突することで発光現象が起き、その光を光電子増倍管によって検出するのが測定原理である。外側を水で満たすのは、ガンマ線を遮蔽してノイズを低減するためである。ノイズの原因は様々で、水以外にもプラスチック板など様々な遮蔽物でノイズの低減が極限まで施されている。 発光の原理とキセノンを使う理由 上記のように、ダークマ