波状雲 山脈や島などの風下に等間隔に並んだ雲域を「波状雲」と呼ぶ。図1では奥羽山脈に並行な積雲や層積雲などの雲列が等間隔に発生している。このように山脈のような細長い障害物の場合は、風下側に山脈に平行な走向を持つ。 波状雲の発生について次の五つの条件が挙げられている。 風向は上層まで厚い層にわたってほぼ一定であり、障害物の走向にほぼ直交している 上層までのかなり厚い層にわたって絶対安定である 雲を形成するのに十分な水蒸気が存在する 山頂付近でおよそ10m/s以上の風速がある スコーラー数が減少する成層の中で発達する 図2は、波状雲発生当時の秋田の温位エマグラムである。エマグラムから、次の特徴が見られる。 風向は上層まで厚い層にわたって西北西でほぼ一定であり、奥羽山脈の走向にほぼ直交している。 相当温位から 700hPa 付近まで中立で、その上は対流安定である。また、静力学的にもほぼ安定してい