「インキの色を調達できないんですよ」。先週、ある食品メーカーの調達ご担当者から、ぽつりとそう聞きました。 きっかけはカルビーです。一部のお菓子のパッケージが、見慣れたカラフルな写真ではなく、白黒の絵柄に切り替わりました。SNSではすぐに「企業努力のアピール」「売名行為では」という反応が並びました。感想は分かります。ただ、これは目立ちたくてやっているのではないと思います。カラー印刷に使う有機溶剤や樹脂原料が、本当に手に入りにくくなっているのです。 少しだけ回り道をします。印刷インキの中身は、おおまかに「顔料+樹脂+溶剤」です。このうち樹脂と溶剤の側で、トルエンとキシレンという物質が骨格になっています。聞き慣れない名前ですが、塗料・接着剤・ペットボトル原料(パラキシレンを経由したPET)まで、生活のあちこちに入り込んでいる素材です。 ここからが本題です。 トルエン・キシレンは、ナフサという石油

