裁判の傍聴席が満員「この人たちはどこから来たのか?」違和感から重ねた取材 地裁に通い続け、尾行、質問状、記者会見。粘り強く不祥事を明らかにした2か月半 2024年3月、裁判取材を担当していた私(記者)は、ある性犯罪事件の公判を取材するため横浜地裁にいた。だが、傍聴席が満員で法廷に入ることができない。廊下に漏れ聞こえる審理内容などから、教員による犯罪であることが察せられただけだった。 事前に報道された注目事件以外で、横浜地裁の傍聴席が満員になることはまずない。この日いた人々の顔ぶれは、よく見かける傍聴を趣味とする人たちとも違う。強い違和感を覚えた。 その後も、性犯罪事件の公判で傍聴席が満員となるケースを次々と確認した。並んでいた人に聞いても、はぐらかされるばかり。「動員されているのではないか」「だとすれば、公開が原則の裁判で、そんなことが許されるのか」―。私は同僚とともに、この人たちが公判後