生活をするうえで、私たちは日々、実に様々な選択を迫られています。何の気なしにその選択肢を選んでいると思っていても、そこには人間としての心理的特性が影響しているのです。どういうことでしょうか。ベストセラー作家で、劇作家・演出家としても活動する竹内一郎氏が、具体的な例を交えて解説します。 人間は自分の選択に「後悔」したくない2020年以来、コロナ禍が世界中を席巻している。このウイルスの場合、ワクチン接種の是非の判断が大きく分かれた。だが、インフルエンザが流行したときには、ワクチン接種の是非はあまり大きな問題にはならなかったように記憶する。 問題を深くしてしまったのは、COVID-19にかかって感染死する人の割合が国によって大きく違ったことだ。また、ワクチンができたばかりで、副反応で死ぬ可能性もあるのだが、死ぬ確率の数値が与えられていなかったために、ワクチンを接種することの損得がわからなかったこ