マスクを外し、人との距離も気にせずに旅行ができるようになってきた。外国人観光客も増えている。新型コロナに覆われたこの3年間を経て、「2019年の観光には戻らない」と語る星野リゾートの星野佳路代表に、これからの観光戦略を聞いた。 ――コロナが感染症法の「5類」に移行するのにあわせて、従業員のマスク撤廃を決めました。判断の理由は何だったのですか。 ホテル業界は身だしなみが大事で、ユニホーム、髪形、アクセサリーに至るまで、マニュアルがあります。マスクもその一つとして基準を持たざるを得ませんでした。 このタイミングで決断しなければ、二度とチャンスはありません。合理的な経営判断をするかどうか、その姿勢が社員から問われています。 ――重い決断だったんですね。 重たいことです。私たちは、ハードではなく、社員の接客力を競争力にしてきた会社です。笑顔というのは接客には欠かせない条件だと思っています。 ――批