衆院本会議で代表質問に立った自民党の稲田朋美筆頭副幹事長=国会内で2018年10月29日、川田雅浩撮影 稲田朋美・自民党筆頭副幹事長が10月29日の衆院本会議で、聖徳太子の十七条憲法にある「和をもって貴(たっと)しとなす」を引用して「民主主義の基本は日本古来の伝統」などと主張した。しかし、1400年前の日本にそもそも民主主義という考え方はあったのだろうか。歴史をひもとくと、さまざまな矛盾が浮かび上がる。【大村健一、佐藤丈一、小国綾子/統合デジタル取材センター】
「安倍首相の秘蔵っ子」として初の女性総理候補と目された稲田朋美前防衛大臣。しかし2017年前半、稲田氏は強烈な逆風にさらされた。森友学園問題に関する国会答弁、東京都議選での応援演説において相次いで失言。その後、南スーダンPKO日報隠蔽問題で防衛省を混乱させた責任を取る形で、7月28日に大臣を辞任した。それからおよそ半年。稲田氏は何を思うのか。その心中をまとめてもらった。 志半ばで大臣を辞任したことは、誠に遺憾 2005年に衆議院議員になって以来、この1年はもっとも苦しい期間だった。防衛大臣に任命された時は、まさに青天の霹靂(へきれき)だった。私は、いわゆる防衛族ではないし、防衛政策についての専門的知識があるわけでもない。それでもこのような重責を任せてくださった安倍晋三首相の期待になんとか応え、政治家として日本をとりまく非常に厳しい国際情勢の中で、しっかりと日本の安全保障を進めていきたいとい
国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。 7月に入ってから、九州や四国、中国地方を中心に台風による甚大な被害が相次いだことに、心よりお見舞い申し上げます。 特に7月4日は、午前8時頃に台風3号が長崎県長崎市付近に上陸、九州北部と愛媛県に被害が集中しました。さらなる被害も予想され、気象庁は九州から東北にかけて大雨に警戒するように呼びかけていました。 その上、この日は午前9時39分頃、北朝鮮西岸から弾道ミサイル1発が発射され、「日本の排他的経済水域内に落下と推定される」というニュースも飛び込んできました。国家安全保障会議(NSC)がその日のうちに二度も緊急開催されるなど、緊迫した状態が続く日となりました。 しかし、稲田朋美防衛大臣にはまったく緊迫感がありませんでした。 「あいつに防衛を任せていたら、未来がない」 先日、東京都議会議員選挙に駆り出されていた国会議員の秘書たちが「反省会」をしている
稲田防衛相の30日の閣議後会見での記者団とのやりとりは次の通り。 ◇ 稲田氏 冒頭、私から申し上げます。27日に板橋区で実施した東京都議選の応援演説は、板橋区の隣の練馬区に所在する練馬駐屯地など自衛隊を受け入れている地元に感謝する趣旨も入れた演説ではあったものの、誤解を招きかねない発言があったため、直後に趣旨を説明し、同日中に撤回、おわび申し上げた次第ですが、この場において改めて「防衛省、自衛隊、防衛大臣」の部分は撤回し、おわび申し上げます。 ――野党が罷免(ひめん)を求めているが、大臣自身、職責についてどう考えるか。野党が求めている閉会中審査で改めて説明するつもりは。 稲田氏 私としては、いま我が国を取り巻く本当に厳しい安全保障環境のもとで、国民の生命・身体・財産、我が国の領土・領海・領空をしっかりと守るべく、一層の緊張感を持ってしっかりと防衛大臣としての職責を果たして参りたいと思います
稲田朋美防衛大臣が都議会議員選挙の応援演説の中で、失言を漏らした。 朝日新聞が伝える当日の演説の要旨は以下の通りだ。 《東京都ではテロ対策、災害、首都直下型地震も懸念される中、防衛省・自衛隊と東京都がしっかりと手を携えることが非常に重要だ。地元の皆さまと国政をつなぐのは自民党の都議会の先生しかいない。(演説会場の)板橋区ではないが、隣の練馬区には自衛隊の師団もある。何かあった時、自衛隊がしっかりと活躍出来るためには、地元の皆さまと都民の協力、都議会、都、国のしっかりした連携が重要だ。下村(博文)先生との強いパイプもあり、自衛隊・防衛省とも連携のある○○候補(※実際の演説では実名)をお願いしたい。防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい。》(ソースはこちら) 素人目に見ても、あり得ない発言だ。 なにしろ、現職の防衛大臣が 「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」
稲田朋美防衛相が4月に亡くなった保守派の論客・故渡部昇一氏の追悼文を月刊誌「月刊Hanada」(7月号)に寄稿。「(渡部)先生のおっしゃる『東京裁判史観の克服』のためにも固定概念にとらわれず、『客観的事実はなにか』を追求する姿勢を持つことが大切だ」と持論を展開した。 渡部氏は、稲田氏の後援組織「ともみ組」の会長だった。月刊誌の追悼特集に寄せた文章で稲田氏は、会長就任の経緯を回顧。「どうしても会長になってもらいたいと言い出したのは、『ともみ組』の命名者である夫」と明かした。 そのうえで渡部氏が「ともみ組」のパンフレットに寄せた「日本の政治家に今一番必要なのは東京裁判史観を破砕する知力を基礎にした勇気である」という一文を改めて詳述して紹介。稲田氏は渡部氏の言葉に応じる形で、「『東京裁判史観の克服』のためにも固定概念にとらわれず」などと記した。 稲田氏は9日の閣議後会見で寄稿の内容について質問さ
稲田朋美防衛相は24日、学校法人「森友学園」への国有地売却問題で証人喚問された学園の籠池泰典氏が2016年1月に稲田氏の夫である弁護士の事務所で、弁護士立ち会いのもと近畿財務局と大阪航空局の職員と会ったと証言したことについて、コメントを発表した。コメントの全文は以下の通り。 ◇ 私はこれまで、夫の稲田龍示弁護士からは、「自分(稲田龍示)は土地売却には一切関係していない、君(稲田大臣)は森友学園の顧問になったことはない」との説明を受けておりました。昨日(3月23日)の証人喚問における籠池氏の証言をおききして、急遽(きゅうきょ)、稲田龍示弁護士に確認しましたが、今の説明に間違いはございません。 福山議員の質問に対して籠池氏は、平成28年1月に稲田龍示弁護士に相談に行き、今回の土地の事柄について相談したと証言しましたが、稲田龍示弁護士によれば、本件土地の売却について相談を受けたことはなく、以下の
参院予算委で答弁する稲田防衛相=13日 「森友学園」が起こした民事訴訟の裁判資料のコピー。出頭した当事者等の欄に「原告代理人 稲田朋美」と記載されている(画像の一部を加工しています) 稲田朋美防衛相が2004年12月、籠池泰典氏が理事を務めていた大阪市の学校法人「森友学園」が起こした民事訴訟の第1回口頭弁論に、原告側代理人弁護士として出廷したことを示す裁判所作成記録があることが13日、関係者への取材で分かった。稲田氏は同日の参院予算委員会で「籠池氏の事件を受任し顧問弁護士だったということはない。裁判を行ったこともない」と述べていた。 民進党幹部は「国会答弁とは百八十度違う内容だ」と反発。同党国対幹部は「この際、辞めていただいた方がよい」と批判した。今後の国会審議で事実関係をただし、追及を強める構えだ。
南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊の日報で現地の「戦闘」が報告されていた問題に絡み、稲田朋美防衛相は8日の衆院予算委員会で「戦闘行為」の有無について、「事実行為としての殺傷行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、武力衝突という言葉を使っている」と述べた。 PKO参加5原則では、紛争当事者間の停戦合意が参加の条件で、「国際的な武力紛争の一環として行われる、人を殺し、または物を破壊する行為」という、政府が定義する「戦闘行為」があった場合、自衛隊はPKOに参加できない。稲田氏の発言は「参加ありき」で現状を判断しているとも受け取られかねない内容だ。 民進党の小山展弘氏に答えた。稲田氏は一方で、日報で報告された昨年7月に大規模な戦闘について、「法的な意味における戦闘行為ではない」との従来の政府見解を述べた。 また、防衛省が現地部隊の報告文書をいっ
「ポスト安倍」の有力候補と目される稲田朋美防衛相(57)に「政治とカネ」の問題が発覚した。 「しんぶん赤旗日曜版」(8月14日号)は、稲田氏の資金管理団体「ともみ組」の政治資金収支報告書に添付してある領収書の写し(2012年~2014年の3年分)を開示請求で入手。そのなかに金額、宛名、年月日が同じ筆跡の領収書が、約260枚、約520万円分あったと報じた。 領収書は、自民党議員らによる政治資金パーティの会費(2万円)を稲田氏側が支払った際に、各議員側から受け取ったものだ。 本誌が稲田氏の事務所に確認すると、「(宛先や金額などを)その場で記載してもらうと受付を待っている多数の方に迷惑をかけ、パーティーの運営に支障を来すおそれがあり(中略)、主催団体に代わって弊事務所が記載することがあります」との答えが返ってきた。 稲田事務所はまた、「ほかの議員事務所もそうしている。これは自民党の政治資
小池百合子の都知事就任につづいて、悪夢のような人事が決定した。明日3日に行われる内閣改造で、稲田朋美・現自民党政調会長の防衛相起用が確実となった件だ。 稲田氏といえば、本サイトでも繰り返しお伝えしているように、自民党きっての極右議員。しかも、“命を捨てて国を守れ”と繰り返し口にしてきた人物だ。 「国民の一人ひとり、みなさん方一人ひとりが、自分の国は自分で守る。そして自分の国を守るためには、血を流す覚悟をしなければならないのです!」(講演会での発言) 「靖国神社というのは不戦の誓いをするところではなくて、『祖国に何かあれば後に続きます』と誓うところでないといけないんです」(「WiLL」2006年9月号/ワック) 「祖国のために命を捧げても、尊敬も感謝もされない国にモラルもないし、安全保障もあるわけがない。そんな国をこれから誰が命を懸けて守るんですか」(「致知」2012年7月号/致知出版社)
「在日特権を許さない市民の会」(在特会)と近い関係にあるかのような記事で名誉を傷つけられたとして、稲田朋美・自民党政調会長(57)が週刊誌「サンデー毎日」の発行元だった毎日新聞社に慰謝料など550万円と謝罪記事の掲載を求めた訴訟の判決が11日、大阪地裁であった。小池明善裁判長は「論評の域を逸脱しない」と判断し、稲田氏の請求を棄却した。 同誌は2014年10月5日号で「安倍とシンパ議員が紡ぐ極右在特会との蜜月」と題する記事を掲載。稲田氏の資金管理団体に献金した人の中に在特会幹部とともに活動する人が8人いると指摘し、「在特会との近い距離が際立つ」などと書いた。判決は、この内容は真実で公益性もあると認定した。表現も真実にもとづく論評であり、稲田氏への攻撃を意図したものと読み取ることはできない、と述べた。(阿部峻介)
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