「親から子どもに説明することの重要性について、お話できたらうれしいです」。取材応募フォームから届いたのは、「11歳のときに父親が精神疾患で自殺した」という女性のメッセージでした。 18歳まで父親の死因を知らされず、独り身になった母親にできた恋人の存在や、その恋人との事実婚についても何も聞かされないまま、なし崩しに認めてきたといいます。短い文面から、長年のいら立ちが伝わってきました。 ある晴れた秋の日、待ち合わせたのは、新宿の小さな喫茶店でした。開店まであと数分のところ、甲州街道に面した店の前に、夕焼けのような橙色のストールを巻いた女性が立っていました。今回お話を聞かせてくれた、増原有紀さん(仮名・34歳)です。 事実を隠されたとき呪いがかかる 母親は大学4年生のときに有紀さんを出産しています。子育てをしながら教員採用試験を受け続け、有紀さんが小学校に入った頃に合格し、臨時採用で働き始めまし
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