新潮社で仕事。それから、Brusselsで話をした。北本壮さん、葛岡晃さん、金寿喚さんといったおなじみの顔ぶれ。 話題の一つが、電子出版の動きだった。Amazon KindleやSony e-book reader, 発表間近のAppleのtabletなど、ここのところ電子的に本を配信し、読む動きが加速化している。 出版の未来はどうなるのか。私が心から尊敬する編集の方々の顔を眺めながら、この人たちの役割がなくなることはないだろうと思った。 本は、ただ自分一人で書けば良いというものではない。企画をどう立てるか。客観的に見て、どのような文脈にそれは入っていくのか。内容に誤りはないか。著者と編集者がさまざまなやりとりをする中で、初めて本が形をなしていく。 著者だけだと、どうしてもモノローグになる。もちろん、理念的には、熟達した著者が編集者の役割も自ら兼ねて仕事をしていくということは考えられるが、