「金になるバイト」とのうたい文句で勧誘を続けた詐欺グループは、7年間で約90人にまで膨れ上がっていった−。仙台市内で故意に交通事故を起こし、損害保険会社から多額の保険金をだまし取っていた事件。主犯格の阿部和博被告(45)=詐欺罪で起訴=が身内で始めた犯行は、次第に名前も顔も知らないメンバーも加入。巧妙な手口で被告の報酬は1億円以上に膨れ上がったが、最後は仲間の造反で犯行が発覚した。(伊藤真呂武、中村翔樹、吉原知也) ◇ 宮城県警によると、阿部被告らは平成14年から昨年7月の間、故意に約25件の事故を起こし、保険金約2億円をだまし取ったとみられる。捜査関係者によると、阿部被告は当初、妻や親族、経営するスナックの従業員など“身内”だけでメンバーを固めていたが、知人や客にも「金になるアルバイトをやらないか」と声を掛け、メンバーは県警が把握しているだけでも約90人に広がった。 犯行が7年間も